アルピーヌA110はポルシェとロータスの間という新しい世界を切り開いたかもしれない
掲載 更新 carview! 写真:編集部
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今年大きな話題になった「アルピーヌA110」に試乗してきたので報告です。詳しいレポートはジャーナリストの試乗記をどうぞ。今回はふつうな人が一般道で乗った印象をお送りします。
試乗したのは軽量化を重視したベースグレードの「ピュア」。カラーは角度によって青味がかるホワイトメタリックで、価格は811万円であります。
ピュアのサベルト製モノコックバケットシートはバックレストの角度が固定、高さ調整もボルトで決める(当然、運転中は調整不可)という体育会なものですが、角度は絶妙で、ステアリングのチルト&テレスコピックの調整幅が広くポジションが取りやすいのか、編集Tは丸一日のドライブでも不満を感じませんでした。
まずは年末で渋滞、雨も降る首都高横羽根線を都心方面へノロノロ運転。こんな状況でも7速DCTはスムーズで、1速のまま20km/hプラスまで、ひゅいーんという精緻な音とともにトルコンATのように走れてしまうのは意外です。アクセルオフでもギクシャクしないし、これは某大衆車のDCTよりスムーズかも!?
スポーツモードに入れると、背後から「ガオーン、ボバババババっ」というワイルドな爆裂音が。自宅付近はOFFにしておくのが吉ですが、エンジンのピックアップや変速、エンジンブレーキの効きも変わってその気にさせてくれます。ノーマル→スポーツ→トラックでグラフィックが変わるデジタルメーターも楽しい。
驚いたのは乗り心地で、バケットシートの軽量ピュアスポーツカー、というプロフィールから想像できないほど足がしなやか。大きな段差などで引き締まったサスペンションやボディのハードな感触を伝えるものの、それもビシッという短いショックのみ。豪華モデルの「リネージュ」ならシートもリクライニング可能なので、グランドツーリング的な使い方もできそうです。
「ケイマン S」を凌ぐ0-100km/h加速=4.5秒は一般道×普通の人なら十分に速いはず。ライバルと目される「ケイマン/ボクスター」と比べると、旋回に鋭さがあるのがA110でしょうか。ポルシェが重厚感だとすると軽快感。試乗した部員からは「攻め立てると接地感がもう一息ほしい」という意見も出ましたが、ふだん走りから軽量ボディならではの俊敏さやヒラリヒラリという爽快感を楽しめるとも言えます。編集Uの「ポルシェとロータスの間という新たなジャンル」という評価に、一同納得しました。
ざっくりした感想でごめんなさいですが、アルピーヌA110、“最近乗ったクルマの中では抜群にインパクトのある1台”でした。走っても駐まってもこれだけ注目されたのは久しぶりですが、それは乗っても同じ。ドイツ物よりずっとシンプルなのに質感ある内外装デザインや、抜群のシート、操作感や軽快感やサウンド、そしてちょっと取っ付き難いマニアなインターフェースなど、新鮮なフィーリングを節々に感じることができました。減点法メインでクルマ選びをするならドイツ車をお勧めしますが、目だってナンボ&今までになかったフィーリングに満ちているという意味で、実に味の濃い1台となっているようです。
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