8月7日、富士スピードウェイで元ル・マンウィナーのブノワ・トレルイエ氏がドライブする「アウディ e-tron ビジョン グランツーリスモ」に同乗することができました。
「アウディ e-tron ビジョン グランツーリスモ」は、電気自動車のコンセプトカーとして、プレイステーション4のバーチャルレース用に開発されたゲームカーでしたが、アウディによって実車化されました。完全電動化されたフルタイム4WD「e-tron quattro」は、200kWのモーターをフロントに1基、リアに2基搭載し、システム最高出力は600kW(815hp)となっています。4輪の駆動配分のマネジメントは、フロントは1基のモータートルクを電子制御デファレンシャルギアで左右に分配制御し、リアは左右のモーターを独立で制御しています。
3モーターの電気自動車である「アウディ e-tron ビジョン グランツーリスモ」は、静かでトルクフルな走りが印象的でした。車内にモーターの高周波音は聞こえてきますが、低速から高速域まで、レースカーとは思えない静かさで、車内で会話をすることもできました。また、1450kgの車重からか挙動はマイルドに感じましたが、4WDのトラクションと電気モーターのトルクフルな特性により、コーナー出口の立ち上がりでは加速Gで体がシートに押し付けられました。
アウディ・スポーツCEOミハエル-ユリウス・レンツ氏と元ル・マンウィナーのブノワ・トレルイエ氏に話を聞くことができました。
-ゲームカーの実車化チャレンジで最も難しいと感じた部分はどこでしょうか?
ミハエル-ユリウス・レンツ氏:今までのクルマと開発の手法が異なり、ゲームデザインから技術的要素を盛り込み、現実に落とし込む未経験の領域はチャレンジそのものでした。また、モータースポーツの要素と市販車の両方の要素の融合も難しかった部分です。
-電気自動車ということで車両の制作にあたってフォーミュラEとの関連性はありますか?
ミハエル-ユリウス・レンツ氏:直接関係はありません。ゲームベースでのデザインで、どちらかというと市販車からのフィードバックがあります。アウディ・スポーツのナレッジで実車化のデザインを進めました。
-今までのレースカーとは異色の開発経緯で誕生したクルマですが、実際のドライブで難しい部分などはありますか?
ブノワ・トレルイエ氏:ゲームカーから先に開発されたアイコン的なクルマでしたので、ドライブする前に走りに大きな期待は持っていませんでした。しかし、実際に乗ってみると想像以上にスムーズでバランスも良く、ドライブが楽しいクルマでした。また、ダウンフォースも素晴らしく、エアロダイナミクスも高いバランスを持っていることに驚きました。まだまだ走りにおいても開発の伸びしろを感じますので、より高いパフォーマンスを発揮できるクルマに仕上がっていくことを期待しています。
-今後、このクルマをどのように展開させていきますか?
ミハエル-ユリウス・レンツ氏:フォーミュラE市街地コースなどを想定して制作しているため、トップスピード領域などは未だ開発の余地がありますので、進化させていきます。先ずは、アイコンとして、ゲームカーを実車化できたことを大変誇りに思っています。今後のアウディの取り組みにご注目ください。
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