ホンダがルーツの台湾製スクーター キムコ レーシング S 125
掲載 更新 carview! 写真:編集部
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JAIA輸入二輪車試乗会、今回ご紹介するのは「キムコ」の125ccスクーター「レーシング S 125」です。まず最初にクルマメディアでほとんど聞くことのない「キムコ」というメーカーからご紹介したいと思います。
「キムコ」は台湾南部の高雄市に本社を置く台湾の二輪車メーカーです。元々は光陽工業という会社で、1964年にホンダと技術協力契約を結び、台湾国内でホンダブランド製品の製造、販売を行っていました。光陽工業で作られたホンダのバイクは世界に輸出され、ホンダの海外進出の一翼を担いました。1992年に自社ブランド「キムコ」を立ち上げ自主開発を開始します。1995年にホンダとの技術提携を解消。キムコブランドで国内と海外販売を展開し、現在では97の国と地域で販売され、スクーター販売台数ではスペインやドイツで1位を獲得、台湾国内ではヤマハなど競合をおさえて新車販売台数16年連続1位を記録するなど、実力のある二輪車メーカーとなっています。日本では2001年から輸入商社によって販売されていましたが、2015年3月にキムコ100%出資の子会社「キムコジャパン」が設立され、国内でのキムコのスクーターを販売網を広げています。
「レーシング S 125」は、フレームとなるパイプに液体を注入し、数千トンの超高圧をかけることでパイプを膨張させて成形する「T.H.F.(チューブハイドロフォーミング)製法」によって作られる高剛性の「ハイドロフォーミングフレーム」や、ケイヒン製インジェクションシステムの採用、LEDのランプ類やスマホなどを充電できる充電ソケットを装備するなど、最新の技術とスタイリッシュなデザインを持つスクーターとなっています。
走りはというと、「ハイドロフォーミングフレーム」が生み出す安定した乗り味は125cc以上の安定感があり、倒し込んだときの接地感やブレーキの効きは高いレベルのもので、国内メーカーのスクーターに引けを取らない性能を持っています。加速力ももたつきの無い十分なもので、交通の流れをリードすることが可能です。取り回しがやや重ためなのと、メットインがやや浅くフルフェイスのサイズや形状によっては少しだけ強引に閉めないと閉まらなかったところなどがやや気になりましたが、そこまで大きな問題ではなさそうです。市場価格は新車で30万円前後とシグナスXとほぼ同じとなっており、性能でも価格でもガチンコ勝負です。まだ正規販売店が少ないのが不利ではありますが、徐々に増えているようなので、ご近所に販売店があれば選択肢として十分アリな1台と言えます。
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