「ポルシェ」がまさかの大失速。中国低迷とEV空振りで打つ手なしも、ファンには“嬉しい誤算”もある理由
掲載 carview! 文:編集部 166
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これまで高利益体質で優等生とされていたポルシェだが、3月に発表した2024年決算の内容は業界に衝撃を与えるものだった。プレミアムブランドの鑑として順調に利益を拡大してきた昨年までの絶好調ぶりが嘘のように、一転して減収減益となったのだ。
日本でもスポーツカーの代名詞「911」を始め、「カイエン」、「マカン」といったSUVの人気が高いゆえに、その経営に点った黄信号には心配にならざるを得ない。いったい、今ポルシェに何が起きているのか?
ポルシェの2024年決算は、売上高400.8億ユーロ(約6.6兆円・前年比1.1%減)、営業利益は56.4億ユーロ(約9,200億円・同22.6%減)となった。営業利益率は前年を3.9%ポイント下回る14.1%に低下。販売台数も約31万台と前年から3%減少しており、1台当たりの利益が減少した上に、販売台数も減速している状況が見えてくる。
もっとも、減収減益に転じたといってもポルシェの“稼ぐ力”は他の欧州メーカーに比べればまだまだ強い。何しろ、親会社フォルクスワーゲンの乗用車部門の営業利益率はわずか2.9%に落ち込んでおり、それに比べればポルシェは調子が悪いとはいえ、二桁をキープできている。
ただ、減益の幅が20%超と大きいだけに、今後も同じ状況が続けば経営に与える影響は大きい。何が業績に響いたのか詳しく見ると、最も大きいのは中国の景気低迷だ。
数字を見ても、2024年の香港を含む中国における販売台数は前年比28.2%減の約5.7万台となっており、富裕層の懐事情の冷え込みが高級車ブランドには大ダメージになっている。
人口減少の局面入りした中国は、日本の「失われた30年」を後追いするとも見られるだけに、今後同国における販売が急回復する絵は描き辛く、ポルシェとしても他地域での販売を伸ばしていくことが急務だろう。
(次のページに続く)
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