人気SUVに見られる若者のリアル。リセール重視の“堅実買い”の一方で、残クレやサブスク活用で「乗りたいクルマに乗る」積極派も台頭

トヨタ ランドクルーザー250

今のうちに「乗りたいクルマに乗る」という価値観も

コンパクトSUVの人気が高い一方で、前出のトヨタの販売店担当者は、次のようにも話します。

「コンパクトSUVが人気な一方で、若い世代のお客様でも『ランドクルーザー250』やレクサス『RX』といった高価格帯のSUVを購入検討されるケースも増えています。

ライフスタイルの変化や将来を見据えたクルマ選びというよりも、『若いうちに憧れの1台を楽しみたい』という動機で購入を決断されるお客様が多く見受けられます。

高価ではあるものの、残価設定ローンやカーサブスクリプションを上手に活用することで、月々の支払いの負担を抑えつつクルマを所有することができます。

購入方法の多様化によって、かつてよりも高価格帯のクルマの購入のハードルが下がっています。

クルマに対する価値観も『移動手段』から『ライフスタイルの一部』へと変わりつつあり、若年層のお客様にとっても高級SUVを選ぶという選択がより現実的なものになってきているのかもしれません。

現在販売されているクルマの多くは、標準装備として高い安全性や燃費性能を備えており、最低限の実用性はすでに多くのモデルで確保されています。

そのため、どのクルマを選んでもある程度安心という前提のもとで、より個性や趣味に合ったものを選択するというのがいまの時代に合っているのかもしれません」

このように、クルマの購入方法が多様化したことによって、従来よりも幅広い価格帯のクルマに乗ることが可能になっています。「若いから価格を抑えたコンパクトSUVを選ぶ」のではなく「好きなクルマに乗る」という傾向が強まっており、若年層でも高価格帯のモデルを積極的に選ぶようになっているようです。

（終わり）

（写真：トヨタ、レクサス、ホンダ）