Eクラス クーペの技術 文系もわかるエコ解説
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
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今回CGIが登場したことで、メルセデスはE320CDIの「クリーンディーゼル」、Sクラスハイブリッドの「1モーター式マイルドハイブリッド」、E250CGIの「直噴ダウンサイジングターボ」という3種類の有望なエコ技術を市販する唯一のメーカーになった。
さらに、2010年には現行Eクラスに尿素SCRによってポスト新長期規制をクリアする新世代クリーンディーゼル“ブルーテック”搭載モデルを追加してくる。2009年に日本で販売された先代Eクラスのうち3割強がディーゼルだったことを考えると、ブルーテックはかなりの人気を博すだろう。また、いまのところ日本への導入予定はないが、北米では2モーター式のストロングハイブリッドであるML450Blueハイブリッドをすでに市販化しているし、欧州ではつい先日、スマート・フォーツーのEVの生産が始まった。
エコといえばハイブリッド一辺倒になってしまっている感のある日本だが、メルセデスの基本スタンスは、地域、車種、用途によって最適なエコ技術は変わる、というもの。E250CGIクーペには「BlueEFFICIENCY」というバッジが付いているが、これは単体の技術を指したものではなく、地域、車種、用途によって変わる様々な最適解に対応すべく、メルセデスが手掛けている多様な最新CO2削減技術の総称だ。
地球温暖化、化石燃料枯渇。インサイトのマイルドハイブリッドと、プリウスのストロングハイブリッドのどちらがいいのか・・・などという狭い議論ではこの難局を乗り切ることはできない。多様な生物によって地球の生態系が成り立っているように、技術にも多様性が求められているのだ。
そういった骨太で包括的な思想の一翼を担うのがCGIであり、それを搭載したE250CGIクーペを選択するという行為は、その思想に共感していることに他ならない。ハードウェアの出来映えもさることながら、E250CGIクーペが最高のライフスタイルカーであるという僕の主張の根拠はそんな部分にもある。
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