タクシーではメジャーな「LPG車」が日本で普及しないワケとは。環境、価格安定性などメリット多数でも依然ハードルは高い

日産 NV200バネットタクシー LPGバイフューエル

メリットは環境性能と価格の安定性

LPG車には、ガソリン車やディーゼル車にはないいくつかのメリットが存在します。

まず大きな利点として挙げられるのは、環境性能の高さです。ガソリン車と比較すると、二酸化炭素やPM（粒状物質）、硫黄酸化物（SOx）、窒素酸化物（NOx）の排出量が少なく、大気汚染の抑制に貢献できる点が魅力とされています。

そのため、排出ガス規制が厳しい都市部での使用に適しており、タクシーや配送用トラックといった業務用車両で広く普及してきました。

また、燃料として使用されるLPGは価格が比較的安定しているのも特徴です。

ガソリンや軽油は世界的な需給バランスによって価格変動が大きく影響を受けますが、LPGはその影響を受けにくく、ランニングコストを見通しやすいという利点があります。

さらに、LPGは燃焼がクリーンでエンジン内部にカーボンが堆積しにくい特性を持つため、部品の摩耗を抑制し、エンジンの寿命を延ばす効果も期待できます。

こうした点から、LPG車は環境性能と経済性、耐久性を兼ね備えた車両として高い評価を受けています。