なぜ“他社に勝つクルマ作り”をやめたのか? 開発期間50ヶ月で後手に回った日産が「平均点狙い」を捨てた本当の理由とは
掲載 更新 carview! 文:編集部/写真:日産自動車 155
掲載 更新 carview! 文:編集部/写真:日産自動車 155
クルマを買おうと検討しているとき、「カタログのスペックはすごく良いけれど、なんだかパッとした個性を感じないな……」と思ったことはないでしょうか。
実は、自動車メーカーの内部でも同じような悩みを抱えていました。新車が世に出る頃には、すでに市場のトレンドが変わっている——。近年の自動車業界における開発スピードの加速に対し、日産の従来の開発期間「約50ヶ月」は明らかな後手に回っていたのです。
なぜこれまで、それほどまでに時間がかかっていたのでしょうか。先日、日産自動車が開催した「開発期間短縮の取り組みに関するメディア向け説明会」の場で、日産自身が抱えていた自縄自縛とも言える過去の反省と、現実的な焦りが赤裸々に語られました。
「これまでは、他社の競合車を意識しすぎるあまり、すべての性能で勝とうとしていました」
そう明かしたのは、同説明会に登壇した日産自動車 第一製品開発本部 執行職の山口一之さんです。開発現場では、各セクションが「他社に負けたくない」とあらゆるスペックを詰め込もうとしていたそうです。
しかし、クルマの設計はトレードオフの連続です。装備を増やせば車体が重くなり、重くなれば走りが悪くなる。走りを補おうとすれば燃費が落ちる……。その調整を社内で延々と繰り返した結果、開発期間は間延びし、手戻りが頻発していました。
「最初は大きなアイデアだったものが、社内で揉まれるうちにだんだん削られて丸くなり、最終的には『どこも悪くないけれど、特徴もないよね』というクルマになっていた」(山口さん)
要するに、自ら開発を難しくして個性を消していたわけです。この反省から、日産は全方位で100点を狙う方針を諦めました。尖らせるポイントを絞り込み、それ以外は割り切るという「引き算の設計」へ舵を切ったのが真相のようです。
(次のページに続く)
#日産開発期間短縮 #次期スカイライン #新型車 #日産
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