ポルシェが1台だけ作ったボクスターベースの軽量ヒルクライムレーサーの独占ウラ話
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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ヒルクライムと呼ばれているモータースポーツだが、ドイツでは「ベルクレネン(マウントレース)」と呼ばれ、歴史も古く、とてもポピュラーで、陽気の良くなる4月頃から、秋の深まる10月頃まで各地でチャンピオンシップをかけたレースが頻繁に開催されている。ヒルクライムという英単語から来るイメージは何となくのどかな感じだが、全力で狭い峠道を駆け上がるこのタイム・トライアルは中々の迫力があり、同時に高いテクニックが要求される。さらに峠道(主に公道)さえあれば開催可能なので親しみ易くもあり、それが欧州で人気の高い秘密であったのだ。
特にポルシェはこのカテゴリーには積極的で1958年から1968年の10年間でヨーロッパ選手権のかかった全24レースの内、何と20勝もしているのであった。
1968年には専用レーサー「909ベルクスパイダー」を開発した。残念ながらこのモデルは当時のハイテックを惜しみなく投入した特殊なモデルであったが、短命で2回しか参戦せず、また2台しか生産されなかった。しかし代わって登場した「910」 (日本でもカレラ10という名前でおなじみの)によって1967年そして1968年とヨーロッパ選手権を獲得している。そして今回5月に開催されたガイズベルク・ヒストリック・ベルクレネンにポルシェはこの909のオマージュとして新しいコンセプト・モデル「981ベルクスパイダー」を公開したのである。
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