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新型BMW 2シリーズクーペはサイズ拡大の恩恵で全方位に進化。この完成度なら次のM2は期待できる!

後輪駆動のコンパクトスポーツを残したBMWの決断

「BMW 2シリーズ クーペ」の現行モデル(F22)は2013年誕生で、今年の7月に英で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで実に8年振りに次期モデル(G42)が発表された。全長4.5m以下のコンパクトな2ドアFRというカテゴリーは、スペースやコスト効率が悪く商業的に難しいとされ、モデル継続の決断は世界で注目を浴びている。

そして今回、ミュンヘン周辺の一般公道およそ250kmに渡る試乗会が開催された。レポーターの前に用意されたのはM社の手になる「M240i xDrive」で、サンダーナイトメタリックと名付けられた濃い紫のシンボルカラーに塗られている。

3シリーズやZ4と同じFRプラットフォームを採用

2シリーズ クーペが新たに採用するプラットフォームは「3/4シリーズ」や「Z4」と同じ後輪駆動専用のCLAR(クラスター・アーキテクチャー)で、「2シリーズ グランクーペ」や「2シリーズ アクティブツアラー」のUKL(前輪駆動用コンパクトプラットフォーム)とは一線を画している。

ボディサイズは全長4537(4432)×全幅1838(1774)×全高1390(1380)mmとカッコ内の旧2シリーズ(F22)よりも105mm長く、64mm幅広く、10mm高い。ホイールベースは2741mm(2690mm)と51mm延長された。ラゲッジスペースは390Lと変わらない。

クラシックな横長のキドニーグリルを採用

デザインで最初に目に付くのはロングノーズ&ショートデッキでキャビンを後方に引いた典型的な後輪駆動フォルムである。空力特性は大幅に改善されCd値は0.30に、ボディのリフトは50%低減されている。

キドニーグリルは4シリーズクーペとは異なるクラシックなサイズと形状で、冷却と空力をコントロールするエアシャッター機能をもっている。切れ長のヘッドライトユニット内には02(マルニ、60~70年代に生産された2シリーズの原型となるコンパクトセダン)の伝統を引く継ぐLEDシングルヘッドライトが収まっている。

伝統のホフマイスターキンクも継承

フロントスカートの左右には三角形のエアインテークが配され、その下にはマットブラックのリップスポイラーが伸びている。ボディサイドにまわると新しいデザインのM専用ドアミラー、標準で採用されている前225/40R19、後255/35R19のミックスサイズタイヤを収める前後のブリスターフェンダーと、それらを繋ぐ彫りの深いサイドシルが長く伸びたボディを引き締めている。また、Cピラーのホフマイスターキンク(BMW伝統のデザイン上のアクセント)が継承されたことも、クラシックなBMWファンには嬉しいポイントかもしれない。

一方リアエンドは旧2シリーズの面影を残した小さ目なリアLEDライトユニット、深いエッジの効いたトランクリッドにリップスポイラー、専用のMデザインディフューザーの左右には台形のマフラーカッターが並んでいる。

4シリーズ譲りのシャシーで軽量化と高剛性化を実現

やや重みのあるドアハンドルを引いてキャビンに乗り込むと、見慣れたBMWオペレーティングシステム7ベースのデジタル操作系、インフォテイメントが広がっている。

新しいデザインのMスポーツステアリングの感触を確かめながらスターターボタンを押すと、直6ユニット(B58)から聞き慣れたやや金属的で澄んだエグゾーストノートが耳に届く。この3L直列6気筒ツインターボの最高出力は374ps、最大トルクは500Nmで、リア駆動重視セッティングの4WDシステムと8速ステップトロニック(ローンチコントロール付き)の組み合わせで0-100km/hは4.3秒、最高速度はリミッターで250km/hに抑えられている。

基本シャシーは4シリーズから移植され、旧モデルよりも軽量で剛性が高められた。このM240i xDriveはMスポーツブレーキや、リアアクスルにはスポーツデファレンシャルを装備し、電子制御ダンパー付きのアダプティブMシャシーもオプションで用意される。

直進安定性や操縦性、ピックアップの良さが印象的

スペックから予想していたが、ホイールベース延長の恩恵はアウトバーンを走り出して直ぐに感じられた。直進安定性がスピードを問わず格段に向上し、レーンチェンジでの挙動も唐突な感じはなく、剛性アップしたボディのお陰もあって足回りはしなやかだ。

しばらく高速移動を楽しんだ後、バイエルンのカントリーロードへ入る。アップダウンと緩やかで見通しの良いコーナーが続くスポーツドライビングにはうってつけの場所だ。ここではM240i xDriveの高められたボディ剛性やワイドトレッド+ロングホイルベース、クイックで安定したステアリング特性といった素性の良さを確認できた。コーナリングラインをミリ単位でトレースするような操縦性や、直6の鋭いピックアップが印象的だ。

次期M2への期待が高まる!

フルモデルチェンジを受けたM240i xDriveに乗って感じたのは、当たり前かもしれないが間違いなく進化、成長していることである。最大の要因は大きくなったサイズに起因する。速度に関わらず安定した快適な乗り心地、スポーティなのに安心感の高まった操縦性、素直なステアリングフィールに良く表れている。

これならば次期「M2」には大いなる期待が持てる。いずれにせよ商業的には決して楽観的にはなれない後輪駆動のコンパクトスポーツクーペを継続したBMWには敬意を表したい。ドイツでの価格はベースモデルが5万6000ユーロ(約720万円)で、生産はメキシコのサン・スイス・ポトシ工場が担当する。

レポート:Alex Ostern/Kimura Office
写真:Kimura Office

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