BMW M6、ラグジュアリーなだけではない
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之、BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之、BMWジャパン
例えばルーフはさりげなくカーボン製になっているし、大径タイヤ&ホイールの向こう側には巨大なキャリパーが鎮座している。そう、この辺りはクルマ好きでなければ識別できないようなディテール。事実、その他にはグリル等に控えめにMの文字が与えられる程度で、内に秘めたる力の強さや圧倒的なゆとりを外にひけらかさない。
パッと見た感じでは、まさにラグジュアリーなクーペモデル。そして実際に、その言葉通りのクルマとしても使うことが可能となっている。しかしひと度ムチを入れると、このクルマは圧倒的な快感を伴う走りの世界へと誘ってくれるのである。
今回は街中/高速を中心に走ったが、まず日常使用においてM6 クーペは極めてジェントルな乗り味走り味を手にしたクーペだ。渋滞の中を穏やかに進み、高速ではゆとりと風格を感じさせる懐の深い快適性すら見せてくれる。
エンジンはどこまでも扱い易く、ペダルのわずかな開度で全てが事足りる。クルーズする感覚が心地良く身体にしみてくる。しかしこれはM6 クーペの極めて小さな一部でしかない。試しにMボタンを押せば、例え公道でも感触が変化して"スポーツカー"が顔を出したことを意識するはずだ。エンジンのレスポンスは敏感になり、サスペンションもしっかり感を伝えるものになる。そしてそうした感触の中には、ワインディングやサーキットでの快感が垣間見えるのだ。
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