トヨタ「カムリ」 低燃費で先進安全装備も充実の高品質好バランスセダン
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:トヨタ自動車 109
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カムリのライバルとなるのは、カムリと同じくハイブリッドシステム(細かく言うと少し違うのですが)を採用しているホンダ「アコード」と、ガソリンおよびディーゼルエンジンを搭載する「マツダ6」セダンです。
まずアコードは、スタイリッシュである点おいても走りの良さにおいても、そして低燃費であるという点においても、カムリと甲乙つけがたいものがあります。
それゆえ、「アコードのデザインのほうが好み」という場合はアコードを選んでもOKなのですが、問題は「ちょっと高い」ということです。
モノグレードであるアコードの車両価格は465万円。これはトヨタ カムリのGと比べると85万円以上、同じレザーシートを装着するG“レザーパッケージ”と比べても28万円以上高いということになります。考え方や感じ方は人それぞれですが、コスパという観点ではカムリに分があると言えるでしょう。
そしてマツダ6セダンは、非常に良い車です。
内外装のデザインは――これまた感じ方は人それぞれでしょうが――カムリ以上に洗練されており、「Gベクタリングコントロール」という装置がもたらす走行安定性や、スポーツセダンとしての気持ち良さみたいな部分は、客観的に見てカムリよりも上と思われます。そして車両価格も、2.0Lガソリン車かディーゼル車であれば決して割高ではありません。
それゆえマツダ6セダンもかなりおすすめの一台ではあるのですが、カムリがマツダ6よりも圧倒的に上回る点は「燃費」です。
マツダ6セダンのWLTCモード燃費は12.4~19.6km/Lで、ちなみにもっとも優秀な19.6km/Lをマークするのは6MTのグレード。AT車だけに絞ると、マツダ6セダンのWLTCモード燃費は12.4~17.8km/Lとなります。
それに対してカムリは、前述したとおり24.3~27.1km/Lですので、この部分に関してはちょっと勝負になりません。
もちろん車というのは、特にこういったセダンというのは燃費の良し悪しだけで決めるべきものではありません。そのため、スポーティな走りとスタイリッシュなたたずまいを優先したい人がマツダ6セダンを選ぶのは、悪くない選択です。しかし燃費と車両価格までを含めた「総合力」においては、カムリが上だと言わざるを得ません。
セダンが売れない時代にあって、カムリの2020年の販売台数は全体の41位と、かなり健闘しています。一番売れているセダンはトヨタ「クラウン」ですが、クラウンは官公庁や法人の需要も多い車ですので、「実際に今、一番売れてるセダン」はカムリなのかもしれません。
カムリは売れてる理由がよくわかる、好バランスで高品質なセダンです。SUVやミニバンではなく「セダン」が欲しいのであれば、選んで間違いのない選択肢だと言えるでしょう。
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写真:トヨタ カムリ 2021年2月マイナーチェンジモデル
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