ゴルフTDI試乗。良くも悪くもディーゼルらしさは薄いが、今でも通用するクルマの質の高さが魅力
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹
結局、ディーゼルゴルフは買いか? ガソリン、PHV、EV、そしてディーゼルのそれぞれに得手不得手があり、ユーザーの好みや用途によって最適なパワートレーンは違ってくるとしか言えない。言い換えれば、どういう好み、用途のユーザーにとっても最適なゴルフが存在するということでもある。ディーゼルゴルフはガソリンゴルフに比べて20万~30万円高価だが、長期間所有し、長距離を走るという人であれば、安い燃料代と燃費のよさによって、どこかの段階で車両価格の高さを取り返すことができる。
ディーゼルモデルの試乗会だったのだが、最も印象に残ったのはエンジンではなく車体の出来の良さだった。現行のゴルフ7は途中で大規模マイナーチェンジを経てゴルフ7.5と呼ばれることもある。次期型ゴルフ8の発表までカウントダウンが始まった段階ではあるが、例えばボディ剛性感の高さなどは、国内外の最新のライバルと比べても遜色なく、モデルチェンジの必要性を感じない。不整路面を通過しても乗員に低級な振動が伝わることはないし、足まわりのセッティングも適切で、ハイスピードでのコーナリング時の安定感も高い。
ADAS、先進運転支援システムもアップデートされて最先端にある。ACC中の先行車両との車間維持は自然だし、先行車両の完全停止に伴う自車の完全停止も上手だ。渋滞中に車線中央維持を手伝ってくれるトラフィックアシストは、慣れるとそれ無しでは運転したくなくなるほど便利だ。またステアリングホイール奥にあるフルデジタルのメーターパネルに地図を表示させることができるほか、地図表示と速度および回転表示のサイズのバランスを変更できるアクティブインフォディスプレイも実に使いやすい。
こうした部分を味わうためにゴルフを選ぼうとした際に、走行距離の伸びない使い方、あるいはスポーティモデルをお望みならガソリンモデル、走行距離がどんどん伸びる使い方ならディーゼルモデル、そして意識高い系か自宅に充電環境が整うならばPHVかEVと、だれもが最適なゴルフを見つけられる。これこそがゴルフの最大の価値だと思う。
そして目下のゴルフ党の悩みは、年内に姿が明らかになるであろう次期型を待つかどうかだろう。ガソリンを検討している人なら待つのもありだが、PHV、EVの登場、そして日本導入には時間がかかるだろうから、現行型の条件がよければGOだ。次期型の日本仕様にもディーゼルが設定されるかどうかはわからない。つまりディーゼルを検討している人も待たずにGOだと思う。
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