自動車大変革が始まった。メルセデスはなぜSXSWのスポンサーになったのか?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ダイムラーAG
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時代は“モノづくり”から“コトづくり”へシフトしている。ハードウェアで溢れる社会から、より豊かな社会を模索する動きが活発で、大変革の入り口に差し掛かっているのだ。そんな中、私はジュネーブモーターショーをスキップして、メルセデスの招きでテキサス州の州都であるオースティンに向かった。
毎年、この街ではユニークなイベント「SXSW(南南西:サウス・バイ・サウス・ウエスト)」が開催される。その名はヒッチコックの映画「北北西に進路をとれ」に由来していて、音楽や映画の祭典としては30年の歴史があるが、最近はテクノロジー関連のスタートアップが世界中から集まり、事業の立ち上げを目指す若者がアイデアコンテストを行う場として有名だ。
参加者は15万円弱の「バッジ」を購入するが、早期に申し込むと安く入手できる。イベントはオースティンの街を挙げて1週間続き、コンベンションやパネルディスカッション、ライブショーの総数は2000を超える。テック、音楽、映画と多岐に渡るので、自分の好みに合わせてイベントに参加するのだ。もちろん、映画は3Dやバーチャルリアリティが当たり前で、そのテクノロジーはクルマの自動運転にも密接に関係している。そんな背景もあって、次世代の自動車技術のベンチャー達から注目されるようになっている。
成田からダラス経由でオースティンに着く。ダラスはハブ空港なので巨大だ。ターミナル間を移動するスカイリンク(モノレール)から見た景色は、圧倒的なクルマ社会の姿だ。デトロイトもシカゴも同じ。ほぼ1人1台で利用するから駐車場は巨大になり、駐車場所からの移動も問題となっている。無人の自動運転車でマイカー規制された市街を移動できれば素敵だろう。
ライドシェアやカーシェアのような移動サービスを表す「MaaS(Mobility as a Service)」は、所有から利用へとモビリティ市場がシフトしていく世界的な流れを象徴するキーワードとして、SXSWでも注目されている。MaaSは自動運転やコネクト技術とも関連し、次世代社会の重要な交通手段となるはずだ。例えば、テキサス州は北米トヨタが2014年に本社機能をダラス北部に集約したことでも話題になったが、アメリカに点在していた各機能を集約した巨大な町が誕生したのは想像に難くない。このような地域にもMaaSが必要となるだろう。
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