【覚えていますか?】セリカ、インプレッサ、ランエボ…国産勢と渡り合った美しき名車、ランチア「デルタ」の魔力
掲載 carview! 文:横田 宏近 11
掲載 carview! 文:横田 宏近 11
デルタHF インテグラーレの実際の走りは、痛快そのものだった。全長4mを切るコンパクトなボディとパワフルなエンジン。そして何より、軽快なフットワークの融合は最高の戦闘力を発揮した。
ワインディングロードでは、まさに無敵。デルタのステアリングを握り、ワインディングを駆けるのはまさにスポーツと呼ぶにふさわしい。爽快さと極上のファントゥドライブに溢れている。
アルカンターラ素材を配したレカロ製の大型バケットシートや、MOMO製本革ステアリングなどのディテールもマニアの心を刺激する。
ランチアはモータースポーツ用のマシンでも「楽しさと美しさ」を忘れない。速さだけでなく、イタリアならではの情熱を持つ逸材である。
1987年から6年連続でWRC王者に輝いたデルタHFは、まさに名車の中の名車。日本でも絶大な人気を博し、新車で販売されていた頃、シリーズ合計で約9000台が輸入されたといわれる。現在でも魅力は一級品。そのイタリアンスポーツならではの刺激的な味わいに心が躍る。
ただし価格は高騰中だ。1000万円オーバーが一般的で、気軽に購入を検討するクルマではなくなった。リーズナブルにイタリア車の走りを味わうなら、アバルト「500/595/695」という手がある。
スタイリングやヒストリー、そしてメカニズムはまったく異なるが、ビビッドな走り味という点では共通する部分が多い。しかも、アバルトはトラブルが少なくエアコンも完備。痩せ我慢は一切無用だ。筆者もMT仕様のアバルト500との生活を大いに楽しんでいる。
(終わり)
(写真:ステランティス、ランチア、アバルト、トヨタ、スバル)
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