トヨタ、福岡バッテリー工場の着工を再延期。EV市場の冷え込みで投資判断を再考
掲載 更新 carview! 文:APOLLO NEWS SERVICE 12
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今回の延期は、世界的にEV販売が勢いを欠いていることを反映しています。主要市場では価格競争が激しく、充電インフラの整備も遅れています。
トヨタは2026年3月期のEV販売見通しを従来の27万7000台から10%引き下げましたが、長期的な販売目標は据え置きました。年間150万台という目標を掲げ、あくまで長期戦で挑む姿勢です。
背景には、原材料コストの高止まりもあります。リチウムやニッケルなど、バッテリー素材の調達価格が不安定なままで、採算を見通しづらい状況が続いています。トヨタとしては、こうした環境下で無理に投資を拡大するより、確実な需要を確認してから踏み出す方が得策と判断したとみられます。勢いよりも精度を重んじる判断です。
ただし、EV事業そのものを後退させているわけではありません。レクサスブランドのEV生産に向けて、中国・上海での新工場建設を2027年ごろに予定しています。2年前に発表されたコンセプトカー「LF-ZC」「LF-ZL」などの量産を視野に、開発投資を続けている段階です。福岡での延期は、全体のリソース配分を見直す一環ともいえます。
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