見た目も走りもエレガントなメルセデス・ベンツ「560SL」は“本当の大人”でなければ乗れないクルマだった
掲載 carview! 文:横田 宏近 4
掲載 carview! 文:横田 宏近 4
R107型SLの走りは、エレガントだ。高速道路を中心とした高速クルーズで最良の面を発揮し、速度が増すほどに安定感が高まる往年のメルセデス独特の味わいを堪能できる。細身のグリップの大径ステアリングこそ時代を感じるものの、その走りのフィーリングは現在でも通用する。
オープンボディとは思えないほどのしっかりとした印象のボディも驚異的。このクルマが1970年代初頭にデビューしたことを考えると、いかにメルセデスが時代を超越した乗り物だったかが実感できる。
V8エンジンは、排気量から予想するほどパワフルな印象は薄い。しかしR107型は、風の香り、太陽の恵みを感じながらクルージングの時間を大切に味わうクルマである。その意味でパフォーマンスは十分。シンプルで上質、それでいてディテールがちょっぴり古くさいインテリアに身を沈めてのドライビングは、他のクルマでは味わえない特別な時間の流れを感じる。
最新のメルセデスは、時代をリードするクルマだ。しかしW107型SLは違う。時代の移ろいを傍観するクルマである。このクルマが似合うのは本当の実力を持った大人に違いない。
かつてのSLは、メルセデス・ベンツファミリーのトップレンジに位置するラグジュアリーモデルだった。だがSUVが主流になり、パワートレーンの電動化が進む現代では、いささか趣が異なる。最新の第7世代のSLはAMGの一員として開発された。しかも独立モデルではなく、クーペタイプの「AMG GT」のオープン版、というキャラクターだ。
最新モデルも上質で味わい深いクルマだが、R107時代のような独特のプレミアム感は薄い。R107型は、時間が経過するほどに味わいが深くなるクルマだった。最新モデルは新車で購入し数年で乗り換える「消費するクルマ」のイメージが強い。
これはどちらが優れているという問題ではなく、時代が求めるものが変化したということだろう。かつてR107型の後継となるR129型を愛車にしたことがある。機能面では圧倒的にR107型を凌いでいたが、味わいという面ではR107型に敵わなかった。個人的にはR107型が最良のSLという気がする。
(終わり)
(写真:メルセデス・ベンツ)
|あわせて読みたい|
>>「アルファード」で完成した“日本的高級車”の原点のような存在。名車「マークII」はどんなクルマ?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
【ポイントランキング】2025年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ終了時点
【ポイントランキング】2025年F1第24戦アブダビGP終了時点
ランド・ノリス、悲願のF1初王座! 優勝フェルスタッペン2点差に迫るも5連覇ならず……角田裕毅は14位で一旦表舞台を去る|F1アブダビGP決勝レポート
ノリスがF1チャンピオンに輝く。フェルスタッペン優勝も逆転ならず【アブダビGP決勝レポート】
F1アブダビGP決勝速報|角田裕毅、当面のF1ラストレースを14位で終える。フェルスタッペン優勝も一歩及ばず、ノリスが初王座
ダイハツ×HALが描く軽自動車の未来像とは?Z世代発想が示した“10年後の地方を変える”提案
波乱万丈のSUPER GT戦記!! 2026年シーズン ホンダはは新型プレリュードで挑む!!
「めちゃくちゃ懐かしい!」 シチズンコレクションから名作映画『E.T.』感動の名シーンを閉じ込めた限定ウオッチ登場!
「エスプリ・セー ・ケイ・ギンザ」でクリスマス限定コースがスタート。小林圭のスペシャリテを銀座流にアップデート
一見ただの公園だが……貴重な中世城郭「茅ヶ崎城」の遺跡だった!? バイクで往く城跡巡り
カウンタック以前の「4人乗りランボルギーニ」がオークションで落札 生産台数は225台 元スペイン王室が所有していた56年前の「イスレロ」とは
デコトラに魅了されているが……「何がいいの?」と聞かれると難しい! 結局デコトライベントで目の当たりにするのが一番だった
レクサス版「GR86」構想は本当にあるのか? 棚上げ状態から再始動の声が聞こえてきた背景
【いまさら聞けない】認定中古車のメリット・デメリット。購入者が主張する“意外な盲点”とは…どんな人に向いている?
290万円の「デリカミニ」登場で“価格天井”が崩壊。なぜ軽自動車の“高価格化”が止まらないのか
22万kmでも海外オークションで400万円超えた三菱「パジェロ エボ」。もし左ハンドルがあったらもっと高値になってたかも?
【知らなきゃ損】実は“革シート=動物が可哀想”じゃなかった。専門家が語るレザーの真実と、捨てられる牛皮“45%”の衝撃的現実
「クロスビー」が“実質フルモデルチェンジ”で昨対比269.8%と大復活。コンパクトSUVの王者「ライズ」を脅かす存在に!?
「N-ONE」一部改良。販売店には6MTの「RS」と「特別仕様車」に問い合わせ集中…「やっぱりMT車は運転が楽しい」の声も
【やっぱり大人気】長らく買えなかったガソリン仕様「RX350」が受注再開。購入者からは「コスパ最強」の呼び声も
【コメント欄で激論】「500万超えは厳しい」「アルファード買ったほうがいい」…「オデッセイ」一部改良に関する記事が話題
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!