新型ムーヴVSムーヴキャンバス！ 同じスライドドアでも個性は正反対。徹底比較で見えた違いとは？

ダイハツ ムーヴキャンバス

走りのムーヴ「RS」が光る！それぞれの価値とは

個性のひとつだった伝統のドレスアップ仕様「カスタム」モデルまで廃止したムーヴは、ダイハツのベーシック軽セダン「ミラ イース」とプレミアムな軽ワゴン、ムーヴ キャンバスの間を埋める質実剛健な存在に仕上がっている。ある意味、割り切りのクルマだ。

では予算に余裕があれば、キャンバス一択かといえば、そうではない。ムーヴならではの価値がある。最も分かりやすいのが、走りのムーヴ「RS」の存在だ。

キャンバスの場合、最上位の「G」グレードでターボと自然吸気仕様のエンジンが選べるが、エンジン以外のメカニズムは基本共通。

一方、ムーヴ RSでは専用スポーティサスペンションと1インチアップの15インチタイヤが与えられ、かなりスポーティな走りに仕上げられている。

機能性重視のムーヴがターボの魅力を最大化する正攻法で、他社にはない現代のスポーティなワゴンを提案している。

サイズも両側スライドドアという構成も似ているムーヴとキャンバスだが、価格と内容で明確な棲み分けができている。特に軽に求められる守備範囲の広さでは、ムーヴが底力を示している。

クルマの基本性能では、ダイハツ最新車らしくキャンバスに劣る点はない。シンプルイズベストなクルマ作りこそムーヴの隠し味であり、誰にでも当てはまる仕様があることが最大の個性なのだ。

（終わり）

（写真：ダイハツ）