【登場から10年】現行「ロードスター」の販売が前年比128.9%と絶好調のワケは“ただの偶然”ではなく“必然”だった
掲載 carview! 文:koensha 66
掲載 carview! 文:koensha 66
ロードスターの人気が衰えない理由のひとつに、「いま買う意味」がある点が挙げられる。次期型は電動化を含む大きな変化が予想されており、現行型のような軽量FR+自然吸気という組み合わせは失われる可能性が高い。
実際、2023年のジャパンモビリティショーで公開された「MAZDA ICONIC SP」発表時、マツダの開発陣はスポーツカーの未来について次のような趣旨のコメントをしている。
「軽さと人との一体感を大切にしつつ、電動技術を取り入れた新しいスポーツカー像を模索している」
この発言が示すように、マツダは電動化を視野に入れつつも、スポーツカーであるロードスターの本質を継承する姿勢を明確にしている。だからこそ、「現行ND型こそ“最後の純粋なロードスター”」と考える層が一定数存在し、今のうちに手に入れたいと考えるユーザーが増えているのだ。
また、現行モデルは10年をかけて熟成を重ねてきたことで、走り・品質・快適性すべてが高い完成度に達している。
「完成されたロードスター」として今こそ価値が高まっているという見方が根強い。モデル末期であることがマイナスではなく、むしろ「円熟期を迎えた証」としてポジティブに捉えられているのだ。
SUVや電動モデルが市場の中心を占めるなかで、ロードスターは「走ることそのものが楽しい」というクルマ本来の魅力を体現し続けている。128.9%という販売増加は偶然ではなく、今もなおその価値が多くの人々に求められていることの証だ。
電動化の波が押し寄せる次の時代が来ても、現行ロードスターは、“クルマ好きの心を震わせる最後のピュアスポーツ”として記憶され続けるだろう。
(終わり)
(写真:マツダ、トヨタ、スバル)
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