パナメーラGTSに見るポルシェのサルーン&モデル戦略
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
バーレーンの街、というより道はどこも単調で面白くない。ポルシェもそれを知っていて、試乗時間のほとんどはF1コースに当てられていた。
ポルシェのワークスドライバー、ヴォルフ・ヘンツラーの乗る「911ターボ」がペースカーで先頭を走る。夕闇の迫るバーレーンのF1コースは素晴らしく、それだけで興奮してしまうが、そんな余裕もなくターボのテールライトを追う。スポーツプラスモードでPDKはマニュアル、ただしPSMはONのままにしておくように指示されている。ターボを見失うものかと3速フルスロットル、そこからパドルでシフトアップして行くと速度計は230km/hをマーク、あっという間にミハエル・シューマッハー・コーナーが迫ってフルブレーキ、2速へ落として再びフル加速する。
前275/40ZR20と後315/35ZR20の前後異径サイズのタイヤとオプションのPCCB(ポルシェ セラミックコンポジット ブレーキ)は素晴らしいロードホールディングと安心の制動力を約束してくれる。それと、腰痛に悩む私がなんとか腰の痛さに耐えられたのはフルアジャスト可能な出来の良いシートのおかげだったかもしれない。
早々にパドックで休んでいると、ポルシェ ブランドアンバサダーのヴァルター・ロールが「これから走るけれども隣に乗らないか?」と誘いにきた。普通なら腰が痛いと断るのだが、彼のドライブを知っている私はさっそくピットへ戻って助手席へ乗り込む。思った通りヴァルターは最初のコーナーでじわっと、しかし確実にブレーキング、速度を十分に落とすと同時にステアリングを素早くクリッピングポイントに向け、今度はフルスロットルでコーナーを脱出する。2週間前に同乗したベルント・シュナイダーのやや力づくなスタイルとは違って、非常にスムース、終始安定した姿勢でしかも速く、あっという間に2周を終えてクールダウンでピットに戻る。
ヴァルターのドライブでも確認できたが、パナメーラはポルシェが求めた4ドアサルーンのカタチである。すなわち4シーターの快適性を可能な限り追求しつつ、それを犠牲にせずにスポーツカーのハンドリングをどこまで融合させられるか、という点を追求している。なぜならAMGと違ってポルシェには「Sクラス」がないからだ。まさか「乗り心地、快適性をお望みであればメルセデス・ベンツをどうぞ!」とは言えないのだ。
このパナメーラGTSは2018年の12月からドイツをはじめとする欧州向けに出荷が始まり、ベース価格はパナメーラGTSが13万8493ユーロ(約1800万円)、パナメーラ スポーツツーリスモ GTSが14万1394ユーロ(約1840万円)と発表されている。日本へのデリバリーは2019年5月と発表されている。
※タイヤサイズの誤りを修正しました(2018年11月14日)。
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