新型BMW M3&M4は最後の純エンジンモデルらしい完成度。10段階のDSCや意外な快適性にも注目
掲載 更新 carview! 写真:Kimura Office 160
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「BMW M3」のルーツは1986年にグループAのホモロゲーション用にBMWの子会社M社の手によって誕生した「3シリーズ(E30)」ベースのスポーツセダンだ。販売台数が規定の500台に限定されたため、当時よくあった単なるスポイラーを後付けしたものではなく、リア部分はレース用タイヤ装着を考えてブリスターフェンダーが採用されるなど大幅にモディファイされていた。
エンジンは2リッター4気筒(M1)をベースに2.3リッターの(S14)へとこれも大幅な改良を受けて最高出力は200PSを誇った。1987年と89年にはDTMのタイトルを獲得、商業的にも大成功を納め、最終的には1万8000台が販売された。M3はその後も5世代にわたって生産され、2014年に登場した「M4」と合わせて35万台が販売された。輸出先はアメリカに続いて英国、日本は5番目に入っている。
そして今年、M3とM4が共にフルモデルチェンジを受け試乗会がミュンヘンを中心にして開催されたのだ。
用意されたモデルはM3、M4共に高性能版の「コンペティション」である。3リッター直列6気筒エンジンの最高出力はノーマルのM3とM4の480PSから510PSに、最大トルクは550Nmから650Nmに向上している。トランスミッションは6速MTに代わって8速ATで、ダイナミック性能は両モデル共に0-100km/hが3.9秒、最高速度は標準で250km/h、オプションのMパッケージで290km/hまで引き上げられる。
最初のセッションにはM3コンペティションが用意された。フロントフェイスはセダンもクーペも縦長のキドニーグリルが新採用される。フロントスカートにはグリルを挟んで大きなエアインテーク、両端にはエアカーテン用のスリットが設けられ、スポーティな表情をつくっている。
2本のリブのようなフィンが走るルーフ、ドアミラー、トランクスポイラー、ディフューザー(オプション)はカーボンに置き換えられている。内装はカーボンの他にレザーとアルミのトリムで仕上げられ、特に幾何学的なデザインのカーボン製Mスポーツシートが目立つ。これは標準シートと比べると一脚で10kg軽く、サポート性はもちろん見た目から想像するよりずっと快適である。
グリップの太いステアリングホイールのスポーク部分もカーボンプレートで、左右のスポーク部分には左にADAS、右にインフォテインメントのスイッチが並び、その上には真っ赤なM1とM2のドライブロジックボタンが顔を出している。同じく真っ赤なスターターボタンを押し、ドライブプログラムをノーマルに選択してアウトバーンへ向かう。走り出すと旧Mエンジン(S55)よりも滑らかな回転に気づく。おそらく燃料噴射圧が200バールから350バールへ高められたので、適正な燃焼が行われているに違いない。
8速オートマチックはほとんどショックを感じさせないままシフトアップを続け、トップギア、160km/hでのフラットで快適なクルージングに移る。シャーシは締め上げられているが、荒れた路面でも角の取れた乗り心地で、ウィークデイの通勤の足として十分に使用可能だ。
ACCを含む、最新のADAS(先進運転支援システム)も装備しているので、渋滞時にイライラすることもない。バイエルンの見通しの良いワインディングロードではスポーツモードを選択してダイナミックドライブを堪能することができた。M3コンペティションはスポーツセダンの規範に相応しい本領をみせてくれた。
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