中古車でもメンテナンスしだいで長く乗れる。メリットからリスクまで解説【購入ガイド】
掲載 carview!
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購入した中古車を安全に長く乗り続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスは、車の消耗部品を点検・調節・交換して適切な状態に保つことを目的としています。
この記事では中古車のメンテナンスについて、基本的なメンテナンス項目、メンテナンス作業を依頼できる整備工場、メンテナンスを実施するメリット、そして整備不良によって起こるリスクについて詳しくご紹介します。
目次
車は、数百を超える機械・電子部品で構成されています。そのため、車のメンテナンスについて詳しくない方からすると、お金をかけて定期的にメンテナンスを行うことに抵抗があるかもしれません。
しかし、車のメンテナンスを怠ると故障や事故につながる可能性が増加します。ここでは、中古車のメンテナンスの重要性とメリットについて見ていきましょう。
劣化した車の各部品を点検・調整・修理・交換して、車の状態を適正に保つことです。中古車は、新車よりも部品の劣化が激しいことが多く、以前のオーナーの使用方法や使用環境によってもコンディションは変わります。
そのため、メンテナンスをしないまま放置しておくと事故や故障につながる恐れがあり、危険です。自身が安全に運転するために、定期的なメンテナンスは大切です。
中古車をメンテナンスする最大のメリットは、車を安心・安全な状態に維持できることです。定期的にメンテナンスを行うことで、部品の劣化を抑え、エンジンやタイヤを長持ちさせられます。部品の劣化を抑えられれば、故障や事故を未然に防ぐことにもつながります。
また、定期的なメンテナンスによって、車のコンディションが良い状態で保てるでしょう。これにより、売却時に高額買取を期待できる可能性もあります。
車を安心・安全な状態を維持するために、メンテナンス項目を理解しておきましょう。点検項目には、中古車購入後に自身でできるものもあれば、プロの整備士の技術が必要な項目もあります。加えて、オイルなどの消耗品は、取扱説明書を読み交換時期を把握しておくことも大切です。ここからは、中古車の主なメンテナンス項目について解説します。
エンジンオイルは、エンジン内部の部品がスムーズに動くようにするものです。このエンジンオイルが汚れると、燃費性能の低下や出力異常につながる恐れがあるため、定期的な交換が必要です。
エンジンオイルの点検では、エンジンに付属するオイルレベルゲージを使います。オイルレベルゲージを引き出し、オイルの量と劣化具合を確認します。
エンジンオイルは走行しなくても酸化により劣化するため、「走っていないから」と点検を怠らないようにしましょう。また、走行時はオイルフィルターにも汚れがたまっていくため、こちらの点検と交換も必ず行いましょう。
ベルト類は、冷却ファンやパワーステアリング、エアコンなどに使われており、エンジンのパワーを取り出してそれぞれのパーツを動かしています。ベルトの材質はゴム製のため、経年劣化によってひび割れが生じたり緩みが生じたりします。湿度が高いときにエンジンをかけてキュルキュルと高い音が出るときは、ベルト周辺に不具合が生じている可能性があるため、注意しましょう。
ベルト類の点検は、張り具合とひび割れを目視で行います。張り具合の調整は整備士に依頼することをおすすめしますが、ひび割れについてはライトなどを使ってご自身で点検することが可能です。
エアクリーナーは、エンジン内部に空気を取り込むさいにゴミが入らないようにするフィルターです。エアクリーナーにゴミが詰まって目詰まりを起こすと、エンジンの性能を低下させる原因になります。
エアクリーナーは、空気の不純物の量によっても汚れ具合が変わりますが、一般的には車検にあわせて交換すると良いとされています。ただ、年間走行距離や都内の渋滞道をよく走る車は、早めに点検してもらうと良いでしょう。なお、軽い汚れ具合であればエアクリーナーを取り外して目詰まりを掃除し、再使用が可能です。
バッテリーは、エンジンの始動や電装部品に電力を供給する大切な部品です。バッテリーの劣化が進んでいるとエンジンのかかりが悪くなり、最悪の場合はエンジンを始動できなくなってしまいます。したがって、いつもと始動音が違ったり、始動が遅かったりするときは、バッテリーが劣化している可能性があります。
どの部品にも言えますが、定期的にメンテナンスしていれば、素早く劣化に気づけます。バッテリーは、2年ほどの周期で整備工場やガソリンスタンドなどで点検してもらうようにしましょう。
タイヤのメンテナンスで大切になるのは、空気圧チェックです。空気圧が低い状態だと、タイヤの劣化を早めてしまい、高速道路などでバーストしてしまう危険もあるため、日常的に確認しましょう。
タイヤに摩耗やひび割れがあったら、交換のタイミングです。点検する際は、タイヤの外側だけでなく、内側も点検するようにしましょう。偏摩耗があった場合は、販売店やタイヤ量販店に車を持ち込み、タイヤローテーションなど点検・調整を依頼する必要があります。
ブレーキの異常は、「走行時にブレーキペダルを踏み込んだ位置が奥に行き過ぎていないか」「異音が発生していないか」などで確認します。ブレーキは部品の摩耗が進むと、異音を発生してドライバーに異常を知らせます。そのため、異音発生時にはブレーキ部品の摩耗を疑い、速やかに修理工場に持ち込むようにしましょう。
また、ブレーキの踏力を伝達するブレーキオイルも、水分を含むと劣化が進みます。エンジンオイル点検時などに、ブレーキオイルも併せて点検することをおすすめします。
エアコンフィルターはホコリや泥が付着しやすく、劣化しやすいことが特徴です。メンテナンスして再使用も可能ですが、基本的には1年ごとに交換しましょう。
エアコンフィルターが劣化した状態で使用を続けると、車内の悪臭の原因になります。ほかにもエアコンの利きが悪くなったり、エアコン内部の劣化によるエアコン本体の故障につながったりしてしまうこともあります。
エアコン装置の修理・交換は高額になるケースがほとんどなので、定期的にメンテナンスをすることで故障を未然に防げます。
中古車のメンテナンスを依頼したいとき、どこに持ち込めば良いのでしょうか。自動車整備工場を構える事業者はさまざまですが、それぞれの特徴を把握することで日常的なメンテナンスや、いざという時の修理依頼がしやすくなります。ここからは、主な車のメンテナンス依頼先をご紹介します。
購入した中古車を、メーカー系列の正規販売店に持ち込んでメンテナンスを受ける方法があります。正規ディーラーにメンテナンスすることで、メーカー系列だからこその最新情報にもとづく適切なメンテナンスを受けられます。
ただし、一般的に、正規ディーラーはメンテナンス費用が割高です。費用を抑えるには、保証期限内の車を選んで購入することをおすすめします。
正規ディーラーが販売するメーカーの車両を専門的に取り扱うのに対して、自動車整備工場はメーカーを問わず、メンテナンスを依頼できます。
一般的に、正規ディーラーと自動車整備工場のメンテナンスは、費用は自動車整備工場の方が安くなります。
自動車整備工場は認証工場と指定工場に分かれていますが、2年ごとの車検を工場内で実施できるのは指定工場のみのため注意しましょう。
整備設備が整った大手のカー用品専門店やタイヤ専門店などの販売店でも、メンテナンスを依頼可能です。エンジンオイル交換やタイヤ空気圧の調整といった基本的なメンテナンスはもちろん、大型店舗では整備工場と同等のメンテナンスを依頼することが可能な場合もあります。
さらに、近年では指定工場を併設する店舗も増加傾向にあります。タイヤやカーナビなどの購入と併せてメンテナンスや車検も受けられ、利便性が年々向上しています。
ガソリンスタンドは、給油の際にエンジンオイルやタイヤ空気圧などの日常的なメンテナンスがしやすい手軽さが魅力です。特に、タイヤ空気圧チェックは車に乗るうえで欠かせないメンテナンスです。ガソリンスタンドで日常的な点検をすることにより、タイヤを最適な状態に保つことができます。
また、ガソリンスタンドでは、カー用品専門店と同じく指定工場を併設する店舗も増加しています。指定工場を併設していれば、整備士の資格を持つスタッフに車のメンテナンスを気軽に依頼することも可能です。
専門的な知識と設備を必要としない簡単なメンテナンス項目であれば、自分でメンテナンスを行うことも可能です。自分で車のメンテナンスをするメリットは、工賃を抑えられる点にあります。簡単にできる車のメンテナンスは、主に以下のような項目です。
・エンジンオイル残量・状態確認
・タイヤ空気圧調整
・ウィンドウウォッシャー液補充
・ラジエーター液確認・補充
・洗車
オイル交換など、慣れない作業についてはプロの整備士に依頼した方が安心でしょう。
中古車購入後のメンテナンスの重要性について理解することで、整備不良による重大なトラブルを回避できます。メンテナンス項目には、法律で定められている点検項目もあれば、ユーザーが日常的に点検すべき項目もあります。
ここでは中古車のメンテナンスの頻度と整備不良によって起こるトラブルの例をピックアップしました。
中古車に限らず、車は定期的に法定点検を受けることが義務付けられています。普通自動車の場合は、12ヶ月点検と24ヶ月点検があります。
12ヶ月の法定点検は、実施しなくても罰則にはなりませんが、ブレーキ内部や車の足まわりをプロの目で点検してもらえるため、受けておいたほうがリスクを減らせます。
一方、24ヶ月点検は車検と同時に行うもので実施義務があり、12ヶ月点検よりも詳細な点検が実施されます。
車のメンテナンス頻度は、法定点検で定められた期間だけ行えば良いわけではありません。使用状況によっては、メンテナンス頻度を高めるなどの調節も必要です。
自動車メーカーや車種によっては、シビアコンディションと呼ばれる条件を定めています。具体的には、走行距離の3割が悪路走行や、一回の走行距離が8km以下などです。この状態にある車はエンジンオイルなどの消耗が早まるため、一般的な交換時期よりも早めの交換が推奨されています。
法定点検の期間だけをメンテナンスの目安にせず、使用状態に応じて適切なメンテナンスを実施することが大切です。
エンジンオイル交換を怠ると、最悪の場合エンジンが損傷してしまう可能性があるため注意が必要です。エンジンオイルはエンジン内部の汚れや熱の影響を受け、その量が減少したり粘度が上がったりしてしまいます。すると、性能は徐々に低下し、潤滑不良による焼付きなどのトラブルにつながってしまいます。
また、オイルフィルターも交換を怠ると、エンジン内部にスラッジと呼ばれるゴミが堆積してしまい故障の原因となるため、どちらも定期的に確認しましょう。
タイヤの空気圧調整を怠ると、タイヤが部分的に摩耗してしまう偏摩耗という現象が起きてしまいます。タイヤが偏摩耗を起こしてしまうと異音や異常振動の原因になるほか、タイヤの摩耗を早めて寿命低下や雨天時の排水性低下につながります。
偏摩耗を防ぐためには、定期的に4本全てのタイヤの空気圧を調整して、タイヤにとって最適な状態を保つことが重要です。偏摩耗があった場合は、販売店やタイヤ量販店に車を持ち込み点検・調整を依頼しましょう。
中古車にかかる費用は購入時にかかる本体価格だけでなく、メンテナンス費用を含めた維持費が発生します。車種によっては維持費が年間約数十万円かかることもあり、ある程度経年劣化が進んでいる中古車の購入時には必ず計算しておくべきポイントです。
ここからは中古車のメンテナンスにかかる費用の相場価格について見ていきましょう。中古車購入時は、車体価格だけでなく維持費を含めて検討することが重要です。
車検でまとめて中古車をメンテナンスする際にかかる費用相場は、普通車が約6~12万円、軽自動車が約5~8万円です。この費用の内訳の大部分を占めるのが、法定費用です。法定費用は車種ごとに自賠責保険や重量税が決められています。そのため、法定費用に関してはどの整備工場に依頼しても変わりありません。
しかし、車検と同時にメンテナンスを行う場合は、場所によってオイル交換などにかかる点検整備費用や手数料が異なるため、注意しましょう。
車のメンテナンスにかかる費用には、部品代と工賃があります。例えば、軽自動車のタイヤを交換する場合、タイヤの部品代が4本で約1~2万円、工賃が約2,000円/1本~ほどと言われています。エンジンやトランスミッションを交換するような大掛かりな修理の場合は、部品代と工賃合わせて約50万円~の費用がかかる場合もあります。
エンジンはメンテナンスを実施していれば交換頻度は高くありません。定期的なメンテナンスを欠かさなければ、車の維持にかかる費用を抑えられます。
車は購入時の本体価格のみではなく、メンテナンスに多くの費用がかかります。しっかりとメンテナンスを施していたとしても、経年劣化によって各部の消耗品が交換時期を迎えることは避けられません。
上記のように約50万円以上の維持費がかかるほど車が古くなってしまった場合、修理費用をかけて乗り続けるよりも、新しい車に乗り換えた方がお得な場合もあります。
購入した中古車を大切に長く乗り続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。どの部分をチェックすべきかというメンテナンス項目を理解し、整備不足のリスクから愛車を守りましょう。
また、メンテナンス費用を含む維持費が高額になる際は、新しい車に乗り換える選択も視野に入れましょう。
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