新型レヴォーグ STIスポーツEX試乗 間違いなく「買い」のステーションワゴンだが難点はデザイン
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:望月 浩彦 266
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:望月 浩彦 266
ド新車ということで少々の慣らし運転はしようと思い、購入翌日、回転数上限をおおむね2000rpmと設定してユルユルと都内から千葉方面へ。
途中の高速道路では、筆者が直近まで乗っていたスバルXV(現行型前期)のアイサイトver.3と比べると「車線をつかむ能力」は段違いであること、フルインナーフレーム構造を用いた新骨格は相当に剛性感が高いことなどは確かに実感した。
しかし前述のとおり回転数上限をおおむね2000rpmにしていたことと、まだこの車に不慣れなこと、そして計5種類ある「ドライブモードセレクト」の中でもっとも穏やかな「Comfort(コンフォート)」を選んでいたということもあってか、ごく正直な印象は「うむ、噂どおりの良き車であるな」程度のものでしかなかった。
「異変」を感じたのは高速道路を降り、千葉県は房総半島のややツイスティな一般道を(相変わらずComfortモードでユルユルと)走行中のことだ。
妙に気持ちが良いのである。ただただ普通に、30~60km/hほどで田舎道を右へ左へと走らせているだけだというのに。
新型レヴォーグSTIスポーツEXは、欧州列強の類似クラスと比べれば(全長以外は)微妙に小ぶりで、微妙に軽い車ではある。だがそれでも全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mmの車両重量1580kgということで、国産車の中では決して極端に小さいわけでも軽いわけでもない。またステアフィールなども、これまた列強と比べた場合はさておき、国産車の中では間違いなく「かなりの重厚感がある」という部類に入る。
だがそんな小さくも軽くもなく、重厚感もある3ナンバーサイズのステーションワゴンが、まるで軽量スポーツカーのように軽快なフィールと動きでもって、田舎道を右へ左へと行くのである。
いや、「まるで軽量スポーツカーのように」というのも表現としてちょっと違う。
あくまでも中型サイズのステーションワゴンならではの質量は感じるのだが、それとまったく同時に「軽量スポーツカーのようなフィール」も感じてしまうのだ。
軽快な動きが気持ちいい車、あるいは重厚感あふれるタッチが素敵な車は、これまで何車種もあったし、今もある。だが、その2つの要素がここまで見事に(不思議に?)両立している車は、筆者は寡聞にして知らない。
筆者は運動音痴のド素人であるため想像に過ぎないが、「オリンピックレベルの身体能力を持つ一流アスリートが、本気ではなくアップのために軽くジョグしたり体操をしたりする際の身体感覚って、おそらくこんな感じなのでは?」と思いながら、40~60km/hほどでユルユルと走り続けた納車翌日であった。
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