ボルボV90クロスカントリーの、SUVでもワゴンでもないカテゴリーが来ている
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦
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グレード展開は4つ。2L直列4気筒にターボを組み合わせた「T5」と、ターボ+スーパーチャージャーを組み合わせた「T6」に、それぞれエントリーグレードの「モメンタム」、上級グレードの「サマム」を用意する。
今回試乗したのは、スーパーチャージャーのない、ターボのみのエンジンを積むT5だ。T6は低回転域でのターボラグを緩和するためにスーパーチャージャーを加えている。そう考えると、T5ではターボラグを感じるのでは? と予想していた。しかし、実際に試乗してみていい意味で予想は外れた。レスポンスの鈍さはまったく気にならず、アクセルをスッと踏めば即座にトルクが立ち上がって1850kgのボディを軽快に加速させていく。おそらく反応のいいタイプのターボチャージャーを採用しているのだろう。その分、ぶん回していったときのピークパワーはT6に軍配があがるが、事実上、254ps/350Nmというスペックに不足を感じるシーンはない。予算に十分な余裕があり、なおかつスポーツカーのように速いボルボが欲しければT6を選ぶ価値はあるが、僕はT5で十分に満足できた。
V90クロスカントリーはステーションワゴンをベースにしたSUV風のクルマだが、機能はかなり本格的だ。なかでも、200mmあれば本格的と言っていい最低地上高で210mm(V90は155mm)を確保しているのは特筆に値する。つまり、並みのSUVを軽く凌ぐロードクリアランスをもっているということだ。これだけ車高を上げると重心高アップに伴う不安定感が出てきてもおかしくないが、V90クロスカントリーは高速道路でもワインディングロードでも重心の高さをまったく感じさせない。おそらく、左右のタイヤの幅であるトレッドをフロントで35mm、リアで25mm増やしているのが効いているのだろう。ただしこの影響で全幅がわずかに1900mmを超えてしまった。1545mmという全高はすべての立体駐車場に対応するし、運転していて車幅の大きさを感じることもないが、1905mmという全幅が立体駐車場の利用を制限するケースも出てきそうだ。
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