五木寛之インタビュー・著書『雨の日には車をみがいて』で読み耽るレシプロ黄金時代の名車の魅力
掲載 更新 carview! 文:杉山 元洋/写真:望月 浩彦 27
掲載 更新 carview! 文:杉山 元洋/写真:望月 浩彦 27
車が縁となり、自動車評論家の徳大寺有恒氏や、レーシングドライバーの黒沢元治氏たちとチームを組んでマカオ・グランプリにも参加した五木さんは、「ステアリングを握って車を運転するときだけが自動車ライフではなく、車好きとの語り合いは人生至福の瞬間だった」と話す。
かつて作家のフランソワーズ・サガンと対談した際も、車の話題をきっかけに会話が盛り上がったのだとか。
「僕の車への憧れの原点は、少年時代に熱中した飛行機にある」と話す五木さん。その眼差しは、飛行機がレシプロからジェット、そしてドローンへと進化したように、馬車から進化しEV化へ突き進む車の未来へも優しく注がれている。
「僕の愛したガソリンエンジンは黄昏れていきますが、産業の結晶である車はノスタルジーには留まれない。モーターにはモーターの味や個性が生まれるはずで、優れた造り手やそれを伝える自動車ジャーナリストの活躍に期待しているんです」(五木さん)
「いつか『雨の日には車をみがいて』も、ガソリン車の全盛期とはまた違った読まれ方をするかもしれないね」と笑う五木さん。50年越しの大河小説の最新作『新 青春の門 第九部 漂流篇』ではソ連製の四輪駆動車の活躍を描くなど、これからも車好きなら見逃せない作品を生み出すことだろう。
>>著書『雨の日には車をみがいて』
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