新型ダイハツ タントは広く推奨されるべき実用車だが、ある種のこだわりを持つ守旧派には厳しい面も
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:編集部
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:編集部
「タントの購入を強く推奨したいある種の国民」のことを、仮に「国民A」と呼ぶことにする。で、国民Aとは果たしてどんな人々のことなのか?
それは、いみじくもタントのカタログの最初にドドーンと大きな文字で書かれている。カタログの文言をそのまま引用する(※ただしカギカッコは筆者が付けたものである)。
「クルマを超えて。新時代のライフパートナーへ。」
この短いコピーを筆者なりに翻訳すると、下記のとおりとなる。
「車に関する伝統的なマインドセットから解脱し、従来型の車の枠を超えた『生活のパートナー』を求める人に、新型タントをお届けします」
車に関する伝統的なマインドセット、すなわち乗り味がどうのとか、アンダーステアがこうのとかついつい言いたくなるマインドからは脱却した人が、生活のパートナー=便利に使える道具を求めているのであれば、新型タントは素晴らしい選択肢としか言いようがない。
左側にBピラー(真ん中の柱)がなく、なおかつフロアの位置が低いため、人の出入りや物の出し入れは相変わらずウルトラ便利。今回のモデルチェンジでは自動オープン機能や予約ロック機能なども追加されたため、実生活のうえではウルトラ便利である。
さらに「ミラクルウォークスルーパッケージ」のキモである世界初の運転席ロングスライドシート(運転席を54cmもガバっと後方に下げることができる機構)も、子育て真っ最中のパパさんやママさんはウルトラ重宝するだろう。
またこれらのポイントは子育て期間中のパパさん・ママさんだけでなく、高齢となった親御さんなどを車に乗せる機会が多い各位にとっても、けっこう重要となるはずだ。
ちなみに筆者は過去、高齢となった義母をルノー カングーという車でしばしば送迎していた。カングーはカングーで便利な車だったが、フロア位置が決して低くはないため、足腰が弱っていた義母は乗り降りにやや苦労したようだ。
そして新型タントはいわゆる先進安全装備も充実している。
全車速対応ACCはXターボとカスタムRSなどにはパックで装着できるものの、売れ筋と思われる「ノンターボの普通のやつ」には残念ながら装着できない。
しかし衝突回避支援ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱抑制制御機能などは「L(スマートアシスト非装着車)」という、営業車以外ではほとんど選ばれないはずのグレード以外では標準装備。これら機能が付いていれば、運転に不慣れな家族にも、ある程度は安心して運転させることができる。
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