【こういうのがいいんだよ】速くて安くてカッコいい。若者に大人気となったスポーツカー日産「180SX」

トヨタ GR86

かつての興奮を味わえるようなクルマに期待

1991年1月、シルビアとともに180SXはマイナーチェンジを受ける。注目は、プリメーラにも搭載する「SR型」エンジンの採用だった。

排気量は2.0Lとなり、180SXは改良前と同じくターボのみの設定。1.8Lの「CA型」エンジンと比較して、30psアップの205psを発揮した。

1993年にシルビアが3ナンバーボディのS14型に移行した後も、180SXは継続され、その結果180SXは1998年までの9年に渡り生産された。

180SXは、一世を風靡した5代目シルビアの陰に隠れ、さほど目立たない存在だった。だが、他のモデルがボディを拡大し、ラグジュアリーな性格を増す中「ターボ」「5ナンバーボディ」「FR（後輪駆動）」という個性を鮮明にし、独自のポジションを構築する。

シルビアの輸出モデルである240SXがベースのため、スタイリングが垢抜けていたのも好評の要因だった。

現在、手軽なサイズのFRクーペというと、トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」を連想する。現行型は2.4Lに排気量がアップされ、速さもハンドリングも磨きがかかった。リアルスポーツとしてもGTカーとしても一級品である。

180SXと比較すると先代86＆BRZのほうが雰囲気がある。100万円台で程度のいい中古車を手に入れ、自分好みにカスタマイズして走りを楽しむとするならば、当時と同様の感動が手に入る気がする。

残念なのは、原稿の日産車の中からかつての180SXの興奮を味わえるようなクルマが思いつかないこと。e-POWERの「オーラ ニスモ」などは素晴らしいクルマだが、ちょっと違う。日産の復活を期待したい。

（終わり）

（写真：トヨタ、日産、ホンダ）