【フラッグシップの立場が危ない?】マイナーチェンジで「アリア」が“リーフ顔”に。でも航続距離は新型「リーフ」が上…日産BEVの序列が大混乱
掲載 carview! 文:編集部 100
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改良型アリアは従来のVモーショングリルを廃し、新型リーフ同様にボディ同色のフロントパネルを採用、BEVらしい近未来感を押し出している。BEVらしさを強調し、テスラなどに流れつつある潜在顧客を引き寄せたい狙いがあると考えられる。
とはいえ両車があまりに似ているため、「どちらが自分に合うのか」と迷うユーザーが増える可能性は高い。新型リーフとアリア(改良前の数値)のボディサイズを比較すると以下のとおりである。
・リーフ:全長4360mm × 全幅1810mm × 全高1550mm
・アリア:全長4595mm × 全幅1850mm × 全高1655mm
特に全高はアリアが大幅に高く、SUVらしい見栄えがある一方、多くの立体駐車場にはリーフしか入らない。さらに価格差は約150万円(※アリアは改良前価格)と、車格の違いが明確である。
次にBEVで重要な航続距離は以下のとおりだ。
・リーフ B7 X(518万8700円):702km
・アリア B6(659万100円):470km
価格が安いリーフのほうが航続距離で上回る“逆転現象”が起きている。2026年2月に追加予定のリーフの本当のエントリーグレード「B5」はバッテリー容量(つまり航続距離)の少ない価格重視モデルとなる見込みで、登場すれば両車のコスパはさらに開く可能性が高い。
また、両モデルともクーペ的シルエットのため後席ヘッドクリアランスは限定的で、ボディサイズが大きいアリアでも後席が特段広いというほどではない。
こうして比較すると、見た目の迫力や車高の高さに明確なこだわりがない限り、価格・航続距離・取り回しのしやすさを考慮してリーフを選ぶほうが合理的な選択である。アリアはブランドの旗艦BEVとしての存在感が高い一方、今回のマイナーチェンジでリーフと似すぎたことにより、差別化の難しさが浮き彫りになった。
今後どのような価格戦略や改良が行われるのか。こうしたアップデート内容がアリア販売回復のカギを握るだろう。
(終わり)
(写真:編集部、日産)
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