208 試乗。これが正統派の206後継モデルだ

プジョー新時代を感じる軽くて味の濃い走り

実際、今回乗ったのは既存の120ps1.6リッター直4搭載の4AT車4ドア「プレミアム」と、前出1.2リッター直3搭載の5MT車2ドア「アリュール」だが、特に印象深かったのは後者。

マニュアルとはいえ、ペダル踏力は軽く、そしてトルクがあるから、AT並みとは言わぬまでも相当おキラクな運転が可能。

それと新世代プジョー208全体の走り味とのマッチングがいい。208は、とにかく走り出した瞬間に、その爽快な軽さに、新時代を感じさせられるクルマ。特に「アリュール」は1トンちょいの軽さもあって出足があっさり、加えなんといってもステアリングが軽く、それでいて味わい深い。最初は「ちょっと軽すぎ？」とも思うのだが、実はセンター部分のフィールはしっかりしてるし、高速でも全然不安がない。

それと乗り心地だ。全体的にはメチャクチャ「しなやか」とか「柔らかい」わけではないが、ドイツ車のビシっとした硬さとは異質の優しいしっかりさ。

要するに今までのフランス車みたいな、ボディ全体までしなるほどの柔らかさはないが、ガシッ！　としていつつ硬いといった新しい味わいを醸し出す。

一方、既存エンジンの「プレミアム」だが、コッチも悪くないし、4ドアを考えると日本はコッチがメインになるだろう。いかんせん残念なのはギアボックスが古い4ATなこと。実際問題、4速ってのは、国内で100km/h程度で使う分には速度的には大して不満はないが、テイストとして全体に滑りすぎる嫌いアリ。

特に発進時、今のツインクラッチ系ミッションが低回転からビシバシ繋ぐのに対し、若干ヌルっと滑ってる感じがあって、ここは正直もったいない。ま、こちらのフィーリングの方がギクシャクがなくっていいって人もいるとは思うが…。