新型セレナ、ミニバンNo.1堅持へエコ性能↑
掲載 更新 carview! 写真:篠原 晃一、菊池 貴之(30~42)
掲載 更新 carview! 写真:篠原 晃一、菊池 貴之(30~42)
日産セレナが5年ぶりのフルモデルチェンジを実施。これまで評価されてきた室内の広さや使い勝手の良さをアップデートしつつ、時代の変化に応えるエコ性能を大きく進化させた。日産としては4代目となる新型の投入で、2007年から3年連続でキープしているミニバン販売台数トップを死守する構えだ。
新型セレナで注目は、日産車でもっとも多く採用したという数々の“実用燃費”改善技術だ。新開発のMR20DDエンジンは、直噴化と吸排気・可変バルブタイミング機構などの採用で、さらなる効率と低フリクション化を徹底。高速燃費や発進加速で有利な変速比幅の広いCVTと組み合わせるとともに、ECOモーター式のアイドリングストップ機構を採用した。
通常のセルモーターに加えて採用されたECOモーターは、エンジン再始動とエネルギー回生の機能を担うモーター。このECOモーターがベルトを介してエンジンをダイレクトに再始動させるため、「キュルルン」というセルモーター音を立てることもなくエンジンが再始動する。しかも再始動にかかる時間は、世界最速の0.3秒だ(日産調べ)。
結果として、新型セレナは15.4km/Lの10・15モード燃費を達成。先代セレナ(13.2km/L)から2.2km/Lも改善し、ライバルのノア&ヴォクシー(14.4km/L)、ステップワゴン(14.2km/L)を一気に追い抜き、クラスナンバーワンに躍り出た。もちろん動力性能も向上していて、先代セレナから10ps/1.0kg-mアップとなる147ps/21.4kg-mをマークしている。※数値はすべて2WD車
また視覚的にエコドライブを支援する「ECOメーター」も採用。走行中は「瞬間燃費」もしくは「エコドライブナビゲーター(車速に応じたアクセル開度)」を切り替え表示し、アイドリングストップ時には1秒ごとにカウントが進み30秒ごとにひとコマ増える「アイドリングストップタイマー」が表示される。メーター内ディスプレイのアイドリングストップによる「節約燃料」表示も、エコをより実感させてくれる。
新型のボディサイズは、全長4770mm(先代比+45mm)×全幅1735mm(同+10mm)×全高1865mm(同+25mm)、ホイールベース2860mm(同±0)※数値はすべて2WD・ハイウェイスター。プラットフォームは先代のキャリーオーバーだが、室内長は300mmも長くなり、3列合計のヘッドルームやニールームの広さがクラスナンバーワンになるなど、室内の“広さ”にも磨きをかけている。ちなみにスライドドアの開口面積もクラスナンバーワンだ。
使い勝手の面では、先代で好評の1列目~2列目間をロングスライドするマルチセンターシートを継承。ある時はシート、またある時はアームレストやテーブルになり、ティッシュボックスも格納できる優れモノは、使い勝手の幅を大きく広げてくれる。
3列目シートも跳ね上げ式を継承するが、より低い位置に格納するスタイルに変更した。これによってアレンジ操作が楽になっただけではなく、格納したときでも室内が明るく後方視界もよりクリアになった。ラゲッジ下のアンダーボックスはB型ベビーカーも寝かせて積める大容量。もちろん3列目シート格納時も使うことができる。
ステアリングに新たにテレスコピック機構が追加されたのも朗報だ(チルト機構は従来から設定)。
デザインは基本的にキープコンセプトだが、“流れ”や“張り”といった要素を強調しながら、クオリティの高さをアピール。ハイウェイスターにはもちろん専用エアロパーツやメッキが大胆に奢られる。階段状のウエストラインや、より大きくなったフロントウィンドウ&三角窓は、視界の良さや室内の明るさにも考慮したセレナらしさの象徴でもある。
グレードは最上級「20G(2WD:258万3000円、4WD:285万6000円)」を頂点に、売れ筋の「ハイウェイスター(2WD:249万9000円、4WD:276万1500円)」と「20X(2WD:233万1000円、4WD:260万4000円)」、エントリーの「20S(2WD:216万3000円、4WD:243万6000円)」という構成。4WD車を含め、「20X」以上は全車アイドリングストップ&VDCが標準装備となる。また「ハイウェイスター」には優れた操安性と乗り心地を両立するハイスピード・ダンピング・コントロール・ショックアブソーバーが備わり、ひとクラス上の乗り味が楽しめるという。
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