主査とチーフデザイナーに聞くMAZDA3の違い・狙い・こだわり
掲載 更新 carview! 文:ケニー 中嶋/写真:ケニー 中嶋
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MAZDA3がワールドプレミアを果たしたロサンゼルスオートショーの会場で開発を担当したMAZDA商品本部の別府耕太 主査とデザイン本部の土田廉剛 チーフデザイナーに新型MAZDA3に関する話を聞いた。
Q.新型MAZDA3に搭載されるSKYACTIV-Xの位置付けと特徴を教えてください。
A.MAZDA3としてグローバル展開するエンジンラインナップは、ガソリン仕様のSKYACTIV-Gが1.5、2.0、2.5、ディーゼル仕様のSKYACTIV-D 1.8、その上にSKYACTIV-Xがきます。既にあるSKYACTIV-G、SKYACTIV-Dと同じく、MAZDAとして追求してきた「人馬一体」の走りを目指すものです。ドライバーの意図にきっちり反応して、自然に気持ちよく運転できる価値を目指すなかで、より進化し究極の「人馬一体」を味わっていただく為にSKYACTIV-Xを開発しました。走る楽しさをフルに体感していただき、かつ燃費は従来のエンジンよりも上回っている。只々、燃費環境を良くしていくだけのエンジンではなく、走る楽しさと燃費の両立を目指したユニットという位置づけです。
Q.具体的にどのようなことが体感できるのですか?
A.従来の内燃機関と比べても、アクセルペダルをわずか1~2mm踏み込んだ時の繊細なコントロールとか、グッと加速する時の反応が意図通りで余裕のあるところ。このあたりがメリットになっています。
Q.安全装備で、今回新たに採用したものはありますか?
A.安全装備面では大きく進化している点が二つあります。ひとつはドライバー・モニタリングで、センターディスプレイに設置した赤外線カメラで常時モニタリングして、脇見や居眠り運転を機敏に察知。ドライバーに警告すると同時に、自動停止装置のタイミングを早めることができるというシステムです。もうひとつは渋滞時の自動運転機能「CTS(クルージング・トラフィック・サポート)」です。これは、停止状態から60km/hの間、前方車両を追従し、同時にステアリングアシストをも含めたものです。
Q.セダンとハッチバックはデザインが大きく異なりますが、走りの部分では性格を変えていますか?
A.今回、走りの部分に関して社内で随分と議論を重ねました、これだけエクステリアのキャラクターが異なれば、当然走りの味付けも変えるべきではという議論がありましたが、我々は「走りの部分に関しては人間中心の自然で疲れにくいクルマ」、もう一歩踏み込んで言えば「人間の持ってる能力を引き出すクルマ」というところを目指しているわけで、その部分はひとつということで、今回の2台については乗り味は同じ設定にしています。ただし、このあたりも実際にお客様に乗って頂いた後に、もう一度議論をしていきたいと考えています。
Q.新型プラットフォーム「SKYACTIVヴィークル・アーキテクチャー」の特徴を教えてください。
A.すべてが全く新しい、オールニュー。従来からのキャリーオーバーした部分はほぼゼロです。現行世代から大きく進化させたのは快適性で、ロードノイズとかライドを含めたNVH静粛性を高めたこと、そして強化される衝突安全基準をクリアさせることです。
さらに我々が目指している乗り味を考えるとボディの剛性、しっかり感は非常に重要になってくるので、その部分もきっちりと進化させました。ボディの管状構造を従来の左右方向だけでなく前後方向にもしっかりと格子状にボディを作ることで剛性アップを図り、その過程での重量増を防ぐ為にハイテンション剛の使用率を高めています。加えて、剛性をあげるだけではなく、外部からのエネルギーの入力をいなす目的で「減衰節」という技術を使いました。これは、通常溶接される鉄板と鉄板との接合部分に、減衰ボンドと呼ばれる樹脂を入れることで力の入力をいなすもので、おおまかな言い方をするとダンパーを仕込むようにして入力自体はしっかりと受け止めつつ、ドライバーにとって不快に感じるエネルギーはボディが吸収し、必要なインフォメーションだけを伝えるという新しい機構です。
Q.MAZDA3のターゲット層は?
A. ハッチバックでもセダンでも共通して言えることとして、パーソナルなクルマなので、自分自身の色々な楽しみや、向かっている夢に対してリソース(時間やお金を含め)をかけている人、です。静かで快適な極上の空間、自分の好きなサウンドがクリアに流れてくる空間に身を置くことで日々の疲れや雑念を癒して頂くことを想定したりしながら、このクルマを作っています。
Q.サウンドといえば、その面で特に拘った点は?
A. BOSEのスピーカーだけでなく、標準装備のスピーカーもレイアウトを大きく変更しています。どんなに性能の良いスピーカーでも、音響面ではレイアウトが重要になってくるので、ボディの設計段階で最適な位置を決めました。これも「人間中心」という我々の思想からきています。人間は音の出てくる方向、時間のずれに対して非常に敏感で、違和感と疲れを感じます。また、音の音域、周波数によっても特性が変わってくるので、高音域をダイレクトに耳に届ける為に、ツイーターをドアの付け根に配置しました。NVHを抑えた中で最高のスピーカーレイアウトを実現できたので、我々は「走るオーディオルーム」と呼んでいます。
Q. あえてMAZDA3のベンチマークといえば?
A. これまでも「人間中心」という観点から、基本的に性能面でのベンチマークは置いていないのですが、商品としてお客様が比較検討されるクルマはあります。そういったビジネスの側面からみた時、我々の気持ち的としては同じCセグメントのなかでも『アウディA3』とか『メルセデスAクラス』といったプレミアムカーと勝負する心意気で取り組んでいますし、またそれに堪えうるレベルのクルマになったのではないかと思っています。
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