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1シリーズ国際試乗会 新型が実現した事は…

先代1シリーズの成功で得た自信

考え過ぎかもしれないが、2004年にBMWが1シリーズを市場導入した時点で、恐らく今回の新型モデルのビジョンがイメージできていたのではないか? 年内に国内導入予定の新型1シリーズに一足先にベルリンで試乗した帰りの飛行機で、そのことをずっと考えていた。

そもそも今の時代は、ライフスタイルの多様化に伴ってユーザーニーズがより細かくなり、それに応えるためのラインアップ拡大がメーカーの生き残り戦略のひとつになっている。1シリーズは環境意識が加速度的に高まり、コンパクトカーへの注目がより強まったユーザーニーズが作り出したといっても過言ではない。しかも5ドアハッチバックモデルだけでなく、2ドアクーペモデルやカブリオレ、さらにドイツ本国では3ドアハッチバックモデルも用意され、1シリーズのボディラインナップは短期間に充実した。

高級指向のプレミアムブランドの長期ビジョンという面から見ても、定期的なブランドイメージの若返りも必須だろう。ユーザーの高齢化は販売の先細りを招き、ブランド力はあってもメーカー体力は弱まってしまう。だからこそ1シリーズには、将来の3、5、7シリーズオーナーになりうるBMWファンを新規開拓する狙いもあった。

とは言っても、そのメーカーの狙い通りに売れるかどうかは未知数。だからこそ、本当は商品力として実現したくても、開発コスト面などのリスク回避でできないものもあったのだろう。先代1シリーズの成功で自信を得たおかげで、その“できなかったこと”が今回の新型1シリーズに盛り込まれている。

試乗中、なぜ“こんなにも”商品力が向上したのか、その進化の幅に驚きつつ、考え辿り着いた背景がコレというわけだ。

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