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東京モーターショー前回割れが突きつける、開催者の編集力と観客の鑑賞力

東京モーターショー前回割れが突きつける、開催者の編集力と観客の鑑賞力

BMW コンセプト Z4

自動車の変革期ならではの発信力、鑑賞力も問われている

実はモーターショーの衰退は世界的な傾向でもある。9月にドイツで行なわれたフランクフルト モーターショーも、ニッサンやプジョーなどは参加していなかったし、ワールドプレミアが行なわれたのもドイツ勢だけだった。

その意味で言えば、トヨタの今回の東京モーターショーへの対応は、時流をよく見ているなというところだろう。けれど、やはり寂しさを覚えるのは、モーターショーにはモーターショーの価値が、まだあるはずだと思うからである。

マツダのコンセプトカーを観に行ったつもりが、一番インパクトがあったのはBMWの新型車だった、みたいな予想もしなかった出会いが起きるのは、多くのメーカーが集う場だからだ。ターゲットを絞った発信では、それが音楽配信とCDショップの関係のように、あるいはウェブの記事と新聞、雑誌の関係のように、届けたい人には確実にメッセージを発信できるが、一方で意図していないところまで響かせること、偶然の出会いみたいなことは起こりにくいのも事実のはずだ。

逆に言えば、モーターショーの未来を左右するのは、そうした部分を強化していくことができるかどうか、かもしれない。いわば編集力である。行きたくなるようなストーリー、思いもよらない出会いへと導く動線があれば…というところだが、そのためには強力なプロデューサーが必要だ。正直、果たして東京モーターショーにそれを期待できるのか…。

逆説的ではあるが、皆さんには是非、そんな変革期にある東京モーターショー、観に行ってほしい。そして得たいろいろな意見をSNSなり何なりで発信していただき、それらをマッシュアップして、新しいモーターショーのかたちを作っていく。発信側が変化してきたように、受け手もそうやって変化していけば、何か新しいものをまだ生み出せるのではないかと期待しているのだが、いかがだろう?

今週末は3連休。時間があれば、是非出かけてみてほしい。私も再度、訪れるつもりでいる。

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