アウディR8 V10・後編911ターボと比較&考察
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン
まったくプライベートで使われているアスカリ・サーキットはアンダルシア地方の風光明媚な丘陵地帯に作られていた。そこまでのワインディングでも充分にV10を堪能できたのだが、今回の試乗会のハイライトであるサーキットドライブが待っていたのである。
このサーキットはなぜだか知らないが、心が洗われる感じがするサーキットだ。ドイツのニュルブルクリンクもそうだが、ここは走る人だけのために作られたサーキットだからかもしれない。一切の観客席もなければガードレールもない。コースサイドの縁石はほとんどないから「素のハイスピードサーキット」という感じだ。
コースに着くと簡単なブリーフィング。借り物のヘルメットをかぶりR8に乗りこむ。ESPをカットしようとしたが安全上の理由でカットできない。主催者としてはナイスプレイ!だが、私的にはちょっと残念。それでも充分にV10のパフォーマンスを引き出すことは可能だろう。
気になったのが、先導車付きのコンボイ方式で走ること。神経質なヤツが先導するとペースを上げてくれない。インストラクターの心理では、車間距離を詰めすぎずに、開けすぎないで走るとペースを上げたくなる。一周目は彼も私のことを知らないから、様子を見る。V10のR8の80%くらいのポテンシャルで走るが、 コーナーの限界は思った以上に高そうだ。二周目は彼も安心したのか、ペースが上がる。このアスカリで最も難しいと思われる高速S字で意識的に先導車の背後についた。
「こいつ!やるな」
と思わせることが目的だ。その後は彼の闘争心に火がつきペースがさらに上がった。ここから先は読者のみんなが想像する通り、バトルとなってしまった。ESPがついていてもドリフトの入り口までは入っていける。ブレーキをちょっと残してターンインすると、R8は素直にテールを振り出す。その様子がとても穏やかなのだ。
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