最新のフェラーリ「296スペチアーレ」は60年前の名車をオマージュ？ 往年の名作「ディーノ206／246」に思いを馳せる

フェラーリ 296スペチアーレ

「296スペチアーレ」のルーツは「ディーノ」だと思う

フェラーリは2025年4月29日に、V6のPHEVユニットを搭載した主力MRスポーツ「296シリーズ」に、ドライビングの興奮を新たな高みに引き上げた「スペチアーレ」を新設定した。

ラインアップはクーペの「296スペチアーレ」と、電動リトラクタブルトップの「296スペチアーレA」の2種。ちなみに“スペチアーレ（Speciale）”とは、イタリア語でスペシャルを意味する。AはAperto（イタリア語で「開く」）である。

スペチアーレは、フェラーリの量産MR車として最強の総最高出力880cv（※cvはイタリアの馬力表記で数値はpsと同じ）の最高出力を誇り、エアロダイナミック性能を強化。サスペンションも専用調律された、選ばれたドライバーのための跳ね馬である。各部の軽量化も徹底している。

だが、サーキットを射程に収めた硬派モデルにもかかわらず、スタイリングはエレガントさを失っていない。美しい造形は標準296と同様だ。

ハイパフォーマンスを魅惑の造形で包み込むのはフェラーリの伝統だが、中でも296シリーズは別格である。しかも往年のモデルーーそう、同じV6ユニットを搭載する「ディーノ206／246」の面影をどことなく宿している。

時代を超越した永遠のMRスポーツ、それが最新の296であり、かつてのディーノ206／246だ。今回はディーノを振り返ってみた。

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