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タチが悪そうな車ほど有効。見かけとのギャップが生み出す「モテるためのジェントル運転」理論

タチが悪そうな車ほど有効。見かけとのギャップが生み出す「モテるためのジェントル運転」理論

写真:blackred

90%の確率で死ぬであろう状況でそれは起こった

過日。すべてにおいて冷静沈着・用意周到な筆者は、近隣スーパーマーケットのおそうざいに30%OFFのシールが貼られるタイミングを正確に見越したうえで自宅を出た。時刻は16時56分だった。

スーパーまで徒歩約4分の道程を歩きはじめ、信号機のない交差点にさしかかろうとしたその刹那、側方から1台の車がやってきた。

車種は、今とっても売れている派手なフロントグリルの高級ミニバン。ボディカラーは黒。ドライバーは20代後半か30代前半ぐらいの威勢がよさそうな茶髪の男性だ。

「これはまずい」と瞬間的に判断した筆者は、信号機のない横断歩道の手前でぴたりと歩行を止めた。

この場合、道路交通法から言えば優先権は歩行者である筆者にあり、止まるべきは派手なグリルの黒いミニバンのほうだ。

だが道路交通ウォッチャーとしての経験から言うと、「派手グリルミニバン+黒+威勢よさげなあんちゃん」というパッケージがこういったケースで停止する確率は約10%。ということは、そのまま自分の権利を主張してズンズン進むと、筆者は90%の確率で死ぬまたはケガをすることになる。

「オレは悪くない! 悪いのはアイツだ!!!」と救急車の中で権利を主張しながら死んでいくのも馬鹿らしい。それゆえ、筆者は歩みを止めたのだ。

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