GSの後を継ぐ新型レクサスESに試乗。必要なのは強力な個性だ
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:トヨタ自動車
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では肝心の走りはどうか。日本向けに用意される「ES300h」のパワートレインは高速燃焼技術を採用して熱効率を高めた直列4気筒2.5Lエンジンと電気モーターを組み合わせ、システム最高出力215hpを発生するハイブリッドシステム。シャシーは標準と「F SPORT」の2種類が用意される。
まず乗ったのは可変ダンピングシステムのAVSを装備し、19インチタイヤを履くF SPORT。乗り心地はタイヤの扁平率を考えれば悪くないが、低速域ではややコツコツと路面のデコボコを拾うし、鋭い突き上げに対する衝撃がやや大きめに感じられるのが気になる。
一方、ステアリングレスポンスは上々で、切った通り軽やかにノーズがインを向いていく。リアも落ち着いていて、ペースを上げても安心感は高い。ドライブモードセレクトをSPORT S+にセットすると操舵力がやや重めになり、ダンピングも強くなるが、差は大きくはなく、NORMALでも不満を感じる場面は無かった。
動力性能は十分というレベル。スムーズだしアクセル操作に対するレスポンスにはリニアリティがあって走らせやすいが、愉しさや贅沢な感じといったものは色濃くないのも事実だ。また、フロアの93%を遮音材・制振材で覆い、ダッシュパネルを大きなサイレンサーパッドで覆うなど静粛性にも十分に配慮しているのだが、回すと4気筒エンジン特有のサウンドが響く。カムリでは大いに満足したパワートレインだが、プレミアムカーの心臓としては、例えばもう少しモーター走行距離が長いなどの違いがあってもいいと感じた。
乗り心地に大いに感心させられたのが、続いて乗った「Ultra Luxury」、日本での「Version L」に相当するモデルだ。こちらは18インチタイヤを履き、サスペンションに世界初採用のスイングバルブショックアブソーバーを組み合わせる。ピストンスピードの極低い領域で働いて確かな減衰力を発揮する一方で、それより速い領域ではフリーになり、しなやかな動きを可能にするこのダンパーの効果は大きく、特に低速域や比較的良好な路面に於いて、ベタな表現だがまさに魔法の絨毯的なフラット感を味わわせてくれるのだ。しかも、ホイールはノイズリデューシングタイプとされ共鳴音を低減している。かと言ってフットワークも軽快感は失われてはいない。
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