実に25年ぶりのFRアルファロメオ、新型ジュリアの狙い目グレードはどれだ?
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
そして走行モードを“ダイナミック”へと変更すると、エンジンサウンドも一層高まり、スポーツカーとしての顔を存分に見せてくれる。
まずは何と言っても加速が圧倒的。FRながらも0-100km/h加速は3.9秒だし、最高速も307km/hを達成しているほど。アクセルを踏み込むと快音を響かせながら、グイグイとスピードが上がっていく。ちなみにフロントのスプリッターは、速度に応じて可変するタイプが与えられている。
しかもエンジン特性は2500~5000回転で最大トルク600Nmを発生するフラットトルク型のため、力が途切れずに、速い。またこうした性格のエンジンだから、むしろMT(用意はされていない)で走らせたら回転の頭打ちを感じやすいため、むしろATの方がマッチングが良いだろうとも思える。
今回は公道での試乗のみだったが、本当の実力を見るならばサーキットへ向かうべきだ。事実、そのコーナリング性能は極めて高いため、公道では至極安定して駆けぬけていく。510psを発生するツインターボから湧き出る力を余すことなく後輪に伝え、FRならではの醍醐味ともいえるリアのスライドを味わうには、クローズドコースが相応しい。要はそれほど高いダイナミクスを備えているし、おそらくその性能を解放すれば、メルセデスAMGやBMW Mにはない痛快さを味わうことができるはずだ。
しかしながら、普段の街中で乗るのも悪くない。圧倒的な性能を携えて、それをゆとりとして感じつつ転がす、というのもまた一興といえるだろう。とにかくクアドリフォリオは、そんな風にシーンを問わず“濃い味”を堪能できる1台である。その意味では、このクアドリフォリオこそ、かつてからのアルファロメオ・ファンが思い描くアルファロメオといえるだろう。
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