改良版メルセデスCクラスのマイルドHVは街中での快適性に優れるが気になる要素も
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
散々盛り上げておいて申し訳ないが、このC200に気になる要素がないわけではない。それは1kWhのリチウムイオンバッテリーの充電状態にもよるが、中回転域で若干力不足を感じるときがあることと、高速領域の伸びが今ひとつなこと。だからこそディーゼルのC220dがあるということなのだろう。
低回転、特にスタート時のC200はかなり力強い。それは大排気量車に負けないレベルで、上り坂のスタートを含めて滑らかで高級車に相応しいストレスフリーの走り出しを見せる。しかし、48Vシステムの弱点として、電動モーターを長時間、しかも中回転以上まで稼働させ続けることはできない。モーターがアシストを止めるタイミングでターボが加速を引き継ぐのだが、出だしのモーターの力強さから想像する加速力は、中回転からは得られないというわけだ。
もちろん数値的には十分なトルクがその際も得られているはずだが、感覚としては低回転が良すぎて中回転付近が物足りなく感じるといったところ。しかも、そこからの速度の伸び感も、1.5Lターボがフル稼働して十分な力を発揮してはいるが、動き出しの軽快感からするとクルマが重くなったような感覚が漂う。それを踏まえると、C220dのディーゼルは、吹け上がりの高揚感こそ得られないが、低速走行から高速走行まで、感覚にマッチした違和感のない加速特性と速度コントロール性の良さを得られる。
何を優先するかで選択肢は変わるだろうが、これら特性を踏まえると、荷物をたくさん積む、大勢で移動する、さらには登坂路を走るなど、クルマの使用ケースとして走行負荷が変わる場面が多い方、さらには高速道路の長距離移動が多いと言う方には従来通りディーゼルのC220dがオススメ。逆にC200は、BSGの良さをフル活用でる低速からの走り出しが多く、シフト変速回数が多いなどの環境、ズバリ街乗り使用の方に特にオススメしたいグレードとも判断ができる。
他にも好評の高速道路でのハンドル支援を含めた運転支援もさらに洗練されるなど、商品力は向上。来年には最大のライバルであるBMW3シリーズのフルモデルチェンジが控えておりその動向も気になるところだが、今回のマイナーチェンジ効果も加わり、それまでは間違いなくCクラスは好調な販売を継続していくはずだし、魅力的な選択肢であり続けると思う。
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