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新型ポルシェ 911 GT3はサスペンションと空力の変更で新次元へ。GT3モデル最後のピュアエンジンか?

ピュアガソリン仕様最後のGT3になる可能性

試乗会は中部ドイツにあるビルスターベルク・サーキットで行われた。19のコーナーをもった4.2kmのテクニカル・コースはジャーマン・カー・オブ・ザ・イヤーなどのイベントで何度か走った経験がある。4点シートベルトで身体をスポーツシートに固定して、スターターを回すとボクサーエンジンは瞬時に目覚め、僅かなスロットルペダルの動きにも遅れることなく、淀みなく回転が上がる。スピードメーターのデジタル表示は読み取れない速度で上昇して行く。それにしても速い、あっという間に200km/h、なんという加速感だろう!

完熟走行中なのを思い出してすぐに速度を落とす。運転席からは911の利点である良好な視界が広がっている。これはGT3が一般道でも活躍できる利点の一つだ。このモデルからはサーキット走行を考慮して正面のモニターにトラックスクリーンと呼ばれる必要な情報だけを表示するメニューが追加されている。

前後のバネ・レートはそれぞれ45→100N/mm、120→140N/mmへと上がったサスペンションのお陰でさぞハードな印象かと思ったが、意外に落ち着いた動きだった。開発担当に確認すると、スタビライザーが柔らかめな設定になっているという。新たに採用された「ミシュラン パイロット スポーツ カップ 2 R」タイヤとの組み合わせもあり、コーナーをはじめ様々なシチュエーションで路面に吸い付くようなロードホールディングが感じられる。

ポルシェ911の楽しみはドライバーの技量に関係なくダイレクトなドライバビリティで運転の楽しみを感じさせてくれることだ。GT3ではさらに、スロットルペダルに直結しているようなミリ単位の動きに反応するボクサーエンジン、路面コンタクトを掌に伝えるステアフィール、踏力に応じて最適でコントローラブルな制動力を発揮するブレーキが加わり、ドライバーにコミュニケーションを楽しませてくれる。

これこそがGT3に乗るたびに素晴らしいと感じさせるところで、ニューモデルが出ると「もはやこれ以上のものは出ないだろう」と思わされつつ、新型が出るたびにそれが覆されてきたわけだ。しかし今度こそ、これ以上のものは出ないかも知れない。さらに厳しくなる排気ガス規制や行政による内燃機関の締め出しを受けて、7代目はピュアガソリン仕様では最後のGT3になる可能性があるからだ。

ポルシェジャパンが発表した価格は7速PDKも6速MTも、右、左どちらのステアリングでも追加料金なしの2296万円で、4月7日から受注が始まっている。

※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。

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