マセラティ ギブリ海外試乗。ベストモデルは？

V6ガソリンとV6ディーゼル

つまり新型ギブリ、3mのホイールベースを持つ全長5m弱の4ドアサルーンというわけだが、そのフロントに縦置きされて後輪を駆動するパワーユニットはすべてV6で、クアトロポルテのようなV8は少なくとも現時点では用意されていない。そのV6は、ガソリンの2種類に加えて、マセラティとして初となるディーゼルターボも用意されている。

ガソリンエンジンは排気量3リッターの60度V6直噴ツインターボで、バルブ系はもちろんDOHC4バルブを採用。チューンには2種類あって、標準型が330psと500Nmを、ハイチューン型が410psと550Nmを生み出す。ディーゼルターボはガソリンとはボアストロークが異なるもののこれも3リッターのV6で、275psと600Nmを発生する。

トランスミッションはすべてのモデルにZF製8段ATが標準装備されるが、それが先代クアトロポルテの初期型のようなトランスアクスル配置ではなく、エンジン直後の通常の位置に搭載されるのも、新型のキャラクターを物語っているといえる。しかしそれでも前後重量配分は、全モデルが一般的に理想値とされる50／50を実現しているという。

シャシー関連では、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクで、当然ながらこれは基本的にクアトロポルテと同じコンポーネンツを使う。

モデルレンジは現状、後輪駆動のギブリ、その高性能版のギブリS、フルタイム4WDのギブリS Q4、それにこれも後輪駆動のギブリ ディーゼルの4種類となる。4WDのS Q4は、ZF製ATの直後に増設された電子制御多板クラッチを使うコンパクトなトランスファーによって、50／50から0／100の範囲で駆動トルクを前後輪に配分する。