【期待大】価格高騰の時代に“手の届くSTI”を再構築。スバル「パフォーマンスB STIコンセプト」に込めた現実的な理想とは

スバル パフォーマンスB STIコンセプト

ユーザーが自分なりの一台を作り上げる自由も作りたい

このモデルは市販を前提としたものではなく、「最終的に完成させるとこういう形にもできます」というスタディモデルです。

「このまま世に出すものではありませんが、こういう方向性のクルマを求めているお客様は多いと思います」と伊藤さんは話します。

あらためて外装をチェックしてみます。スポーティなデザインのフロントグリルとSTIバッジ、前後には迫力のあるオーバーフェンダーを装着し、リアには大型のスポイラーを備えています。

足まわりにはSTIホイールが装着され、その奥には6ポッドキャリパーが覗きます。クロストレックのシルエットをベースにしながらも、全体からはSTIらしいスポーティな雰囲気が漂います。

展示車はSTIパーツをフル装着した“全部のせ”仕様で、あくまで完成イメージを示したもの。本来のコンセプトは、こうしたカスタムのベースとなるクルマをより手頃に提供し、ユーザーが自分の手で仕上げる楽しさを味わえるようにすることにあります。

スバルは今後もSTIによるコンプリートカーを大切にしていく一方で、ユーザーが自分の手でカスタムを楽しめる世界にも引き続き注目しています。

「メーカーが仕上げた完成形だけではなく、自分なりに手を加えて仕上げる。その過程も含めてクルマを楽しんでほしいんです」と伊藤さん。

近年は、クルマの価格が上昇し“手が届かない”と感じるユーザーも増えています。そうした中でスバルは、性能や楽しさを犠牲にせず、より現実的な価格で提供する道を模索しています。