売れまくりNボックス、ガチで衝突させたらどうなる? オーナー目線で挑むホンダ安全取材会
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:本田技研工業株式会社 11
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:本田技研工業株式会社 11
久々に見たホンダの超本気過ぎる施設にあらためて驚く。2000年に出来た屋内全天候型、全方位衝突実験施設だ。前にも1度来たがこんなに巨大な衝突施設は、トヨタやスウェーデンのボルボ、あと見たことはないがメルセデスやVWぐらいしか持っていないはず。ボルボの施設はイエテボリで見たことがあるが、一部加速コースに屋根がなかった。それくらいの巨大スペースが必要であり、オール屋内全天候型って凄いのだ。
JNCAPでも実車をバリアにぶつけるフルラップやオフセットの前面衝突試験や側面衝突実験ぐらいしかやらないが、今回はよりリアルなラップ率50%の車両同士のオフセット衝突テストを敢行。テスト車はNボックスとインサイト。1回のテストで2台オシャカにしちゃう贅沢なテストだ。
速度は50km/h対50km/hで、速度だけみると単独オフセットより低い。だが、実は重量比で見るとNボックスを「1」とするとインサイトは「1.5」。衝突エネルギーはNボックス側が逆に1.5倍となり、時速60km程度の衝撃を受けるという。いよいよ本番。シーンと静まり返った中、ガラガラと引っ張られる両車が顔半分ズレた位置でガッチャーン!!
い、痛い…。音聞いてるだけでも痛すぎる。車重が軽い分、衝突後のNボックスの跳ね返りっぷりがハンパじゃない。インサイトより倍、多く右に回転してる。顔の潰れっぷりもハンパじゃないし。だが、冷静に見るとドアは100%じゃないにしろ引っ張っただけで開いたし、運転席ダミーの足が内装に挟まれるようなこともなかった。ペダル類の突出もなく、キャビンのカタチはほぼキープ。ノーズの部分だけがキレイに潰れている。
それから常識的にはダミーの頭部や身体に入る傷害値、いわゆる衝撃は厳密にはNボックスの方が高くなる。そりゃそうだ。インサイトの1.5倍の衝撃を受けるわけだから。だが、ホンダには衝突安全でコンパティビリティー(互換性)という考え方があり、重い方を柔らかく作ってより衝撃を多く受け止め、軽い方を硬く作ってキャビンをよりよく守るという設計になっている。
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