日産「ノート」販売失速の背景に一体何が…?「e-POWERの限界」と再浮上のカギを探る
掲載 carview! 文:koensha 281
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現行型ノート(3代目・E13型)は、2020年にフルモデルチェンジを果たしたコンパクトカーであり、シリーズハイブリッド方式「e-POWER」を全車に搭載する“電動車専用モデル”として再定義された。
プラットフォームは日産・ルノー連合による「CMF-B」を採用し、先代よりも車体剛性や静粛性が向上。最小回転半径は4.9mと扱いやすく、都市部での取り回しにも優れる。
また、上位モデルには四輪制御技術「e-POWER 4WD」や先進運転支援機能「プロパイロット」も設定され、安全性と走行安定性にも抜かりがない。
内装はコンパクトカーながら質感に優れ、先進的なコクピット設計も特徴だ。加えて、上級仕様の「ノートオーラ」では静粛性・乗り心地・内装素材をさらに強化し、プレミアムコンパクトとしての地位を築いている。
ノートの最大の武器は、日産独自のシリーズ式ハイブリッド「e-POWER」にある。エンジンは発電専用とし、モーターで駆動する仕組みはEVに近い走行フィールを実現しながら、充電不要という利便性を備えている。
ガソリン車からの乗り換えユーザーにとって、違和感の少ない電動化入門車として高く評価された。とくに街中での力強い加速や滑らかな走りは、従来のコンパクトカーとは一線を画していた。
しかし近年、その優位性は相対的に薄れつつある。まず燃費性能である。WLTCモード燃費で見れば、ノートe-POWERの28.4km/L(X・2WD)に対し、「ヤリス」のハイブリッドモデルは36.0km/L(X・2WD)、「フィット」のハイブリッドモデルである「e:HEV」は30.2km/L(BASIC・2WD)という数字を叩き出している。
加えて価格面は、ノートe-POWERの車両価格が232万8700円〜であるのに対し、ヤリスハイブリッドは220万円〜、「フィットe:HEV」も220万8800円から選択可能だ。燃費と価格、つまり「コスパの論理」において、ノートは今や優位性を持たなくなっている。
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