国やメーカーどれだけ水素自動車を売りたいのかはわかりませんが、どうせなら新型センチュリーを水素自動車にすれば良かったんじゃないかと。開発者インタビューやディーラーで「センチュリーにはハイブリッドがないからLS600hLに買い換えた」とか、「旧型センチュリーでもVIPを待ってる間アイドリングストップしている人が意外にいる」という話を聞きました。だとしたら究極のニッポン代表車として、VIPに水素自動車というのはインパクトがあります。価格もそんなに問題にはならないでしょう。クルマの使い方や日常の行動範囲から察するに、水素ステーションの少なさもきっと問題ない。
ついでにこんなことも思いました。日本車と輸入車を合わせると、日本にはすべての動力源が揃っているな、と。各種パラレルハイブリッド、シリーズハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、最新型Sクラスなどに搭載された直6+48Vシステム、バッテリーEV、水素自動車、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、気筒数も2気筒から12気筒まで、などなど、これだけの種類の動力源のクルマを今この世で量産車として普通に買える国は世界中探しても恐らく日本だけではないでしょうか。
運転して楽しいかとか、ブランドが好きかどうかということではなく、動力源に焦点を当てたクルマ選びができる。やっぱりガソリンエンジンでなければとか、何年もかかってようやく実用化したと言われる量産48Vシステムを試してみたいとか、そんな切り口でクルマを見てみる、買ってみるというのもいいんじゃないかと思います。そんな人いないか。
(ジャーナリストコラム 文:大田中秀一)
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大田中秀一(おおたなか しゅういち):自動車エッセイスト
ジャカルタで過ごした少年時代、バジャイ(現地の名物三輪タクシー)を無免許で走らせクルマに目覚める。インドネシア語と英語を操るトリリンガルで、某電池系大手企業の国際営業部、父が経営するインドネシア企業を経て、現在複数のクルマメディアに寄稿中。語学力と押しの強さを武器に、世界のモーターショー巡りをライフワークとし、バスにまで及ぶ知識は仙人の域。
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