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コラム 2018.4.19

【クルマ小説】僕は新人トップセールス vol.1「ターチャンの想い出」

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【クルマ小説】僕は新人トップセールス vol.1「ターチャンの想い出」
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今回の登場人物は「ターチャン」である

「職場でそう呼ばれている」と自らそう名乗るものだから、だからして以降ターチャンでいいと僕も思った。

ターチャンとは一見、ただのオッサンである。モサモサの白髪頭にクルクルめがねをしている、初老、には届かない、中年、というかなんというか。

平成2年3月登録、相模ナンバーのレガシィに乗っている。

出会いのきっかけはそのレガシィを僕が査定したときのことだった。

僕は平成12年4月から翌年のゴールデンウイークにかけて、というから、かなり短い間だったが、じつはクルマ屋の営業をやっていた。まあ営業なんて格好のいいものではなくて、場末の中古車屋のニイチャンみたいなモノだった。従業員はたった4人...くらい? 態度はデカイが中古車に関しては無類の目利きの社長、怒られてばかりだけど面倒見のいい先輩オカダくん、僕、車庫(証明)出しとか登録業務とか茶出しとかを一人でやってる機嫌の悪いオネエちゃん、そして気が向いた時にだけやってくる洗車のバイト。その4人、というか4.5人というか、たまに5人、と言ってもいいというかなんというか。横浜の田舎の方、山の中の、水溜りだらけの車置き場にプレハブみたいな事務所を建てて商売をしていたが、でも、並んでいるクルマがハンパなかった。

登録してから1年と経っていないようなセルシオ、シーマ、クラウン、セドリック、レパードJフェリー、だけじゃなくて、メルセデス、アウディ、ポルシェ、時にフェラーリ。そしてBMWも。店構え方面の設備投資は明らかにケチッておいて、仕入れるクルマのほうに全精力を傾けているような、そういう店だということは入社する前からわかっていた。車の仕事をするならここだな、と思っていたら、雇ってもらえた。

入庫するクルマたちは文字通り宝石のように美しく輝いていたが、それもそのはずで、ディーラーでの下取り条件が合わず、よりよい買取条件を求めてお客様がわざわざ訪ねてくる、そこで買い取ったいわば「産直」の極上中古車をそのまま並べるという仕組みだった。田舎道の脇によくある地元の農家が栽培した新鮮な野菜を無人で売っている販売所の、あの風情に似ている(無人じゃないけど)。ディーラーのやり手営業マンとのパイプも太く、そのルートからの紹介も多かったが、今だったら確実に怒られるやり方である。

そんな、店構えにまったく気を使っていない、一見どうってことない中古車屋だから、事情のわかっていない一見客という種類のお客様も多く、こういった方たちに説明するのが労力の大半だったりした。店構えに対して、「なぜこんなに高いクルマばかりなのか」という種類の質問への回答である。

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みんなのコメント

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  • ih0*****|2018/04/19 18:43

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    某自動車販売店の営業を十数年やっていましたが、この様な人は結構いますよ。
    ただ相手を出来る営業が少ないだけで知識や経験が豊富な営業が相手をすると、かなり良いオピニオンユーザーになってくれますよ。
    よく類は友を呼ぶと言いますよね。その通りで同じ様な友人や付き合いのある人を紹介していただけますよ。
    人は見かけだけでは判断つきません、自分も超一流企業の専務をお客に持っていましたが、普段の身なりはただの中年オヤジでしたよ。
    話をすれば素性は分かりますが、見ただけでは難しいですね。
  • cae*****|2018/04/19 20:42

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    田中むねよしさんの絵を久々に見た。 やはりイラストより漫画が向いているような...。
    あ、この話自体は結構面白かったです。
  • you*****|2018/04/19 17:43

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    フィクションなのかノンフィクションぽい

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