高速道路120km/h化は日本人の運転常識の根本的な転換を突きつけている
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗
速度無制限を謳うドイツの高速道路アウトバーンを初めて走ったのは30年ほど前のこと。大学生のとき、ある男性雑誌が企画した「アウトバーンを走る」というページの取材にドライバー役として参加した。自動車雑誌のアルバイトをやっていたこともあって「ヤツなら大丈夫だろう」と信用してもらえたのだと思う。旅費は出すけどバイト代はゼロという条件だったが、二つ返事で引き受けたのは言うまでもない。
アウトバーン体験は衝撃的だった。クルマ移動に対する概念がガラリと変わったと言ってもいい。たとえば東京から京都に行くとしよう。距離は450kmで所要時間はおよそ5時間、高速道路料金は約1万円になる。しかしアウトバーンだったら、所要時間はおよそ3時間、通行料金は無料だ。税金によって運営されている以上、厳密には"タダ"ではないのだが、日本のように走るたびに目の飛び出るような高額な通行料金を徴収されることはない。にもかかわらず、高速道路の最大の目的である「高速移動を実現してくれるサービス」の度合いは日本の高速道路よりもはるかに高い。ドイツに行くと、クルマの価値が2倍にも3倍にもなるような気分になるのはこのためだ。
もちろん、日本とドイツでは交通量も違うし、地形も違う。ましてや世界的に見ればドイツが特別なわけで、日本も速度無制限にすべきだなどと主張するつもりは毛頭ない。山国の日本は道路建設費も高くつくから料金の無料化も非現実的だろう。しかし、だからといって世界的に見てもっとも高い通行料金を取りながら、世界的に見てもっとも低い100km/hという制限速度にしがみついているのは納得がいかない。クルマの性能が向上したこともあり、レーシングドライバーでもない普通のドライバーがごく普通に120km/hぐらいで走っているという現実こそが、現状の速度規制が実態に合っていないことの証明だ。
もちろん、走行速度の上昇は事故のリスクを増大させる。事故が起きたときのダメージも大きくなる。しかし、だから100km/hのままでいいというのは事なかれ主義というものだろう。重要なのは、制限速度を引き上げた上で、どのように安全を守っていくかを考えることのはずだ。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
日産 コネクテッドサービス「ニッサンコネクト」が進化!アプリから操作できる機能が倍増
メルセデス・ベンツ 「GLCクーペ」PHEVモデル登場!電気モーターのみで118キロ走行可
マツダ、新型電動車セダン「MAZDA EZ-6」とSUVコンセプト「MAZDA 創 ARATA」を北京モーターショーで初公開
加藤陽平TD、転倒後も「表彰台にはチャレンジできるなと思っていた」。新加入ダン・リンフットの印象も/EWCル・マン24時間
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
「ミウラ」「カウンタック」「ストラトス」はガンディーニの作でした! オートモビルカウンシル2024で「追悼展示」が急遽開催
クルマの買取もグーネットアプリにおまかせ!相場価格がわかる新サービス、3つの便利なポイント
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
マツダ、北京モーターショーで新型電動車2機種を初披露。2024年中に1車種を発売
3/4サイズの「セブン」は50ccの原付きカー! ワンオフで製作してナンバー取得済み。左足アクセル仕様の理由とは【マイクロカー図鑑】
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
マツダが後輪駆動スポーティセダン「EZ-6」を中国で発表! 新型「CX-5」を匂わすSUVコンセプトも
伝説の「パジェロ」に続き「パジェロミニ」も開発中か。三菱が“令和のRV軍団”復活へ
【こりゃ驚いた!】欧州三菱コンパクトSUV「ASX」がマイナーチェンジで顔一新!
【同じに見える人集合】新型ミニはどこが変わった? 新旧の違いを写真でチェック!
200万円台前半でも走りはシビック級。コスパの鬼「WR-V」の秘密はホイールベースにあった
新型GR86は1.6Lターボ? 謎多きスープラの本性は!? S耐開幕戦からGRの次世代モデルを占う
ホンダのお手頃SUV「WR-V」が絶好調。一番人気は中間グレード「Z」、色はプラチナホワイト
走り特化型の新生「カイエンGTS」発売。パワー増でついに500ps、0-100加速4.4秒へ
ノアヴォクじゃないのが欲しい? トヨタの“隠し玉”キャンプワゴン「クロスバン」の楽し過ぎる中身