現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > レクサスLX570試乗レポート 非日常の世界観の味見をしてみた 

ここから本文です

レクサスLX570試乗レポート 非日常の世界観の味見をしてみた 

掲載 更新
レクサスLX570試乗レポート 非日常の世界観の味見をしてみた 

レクサスのフラッグシップSUV「LX」に試乗することができた。メインマーケットが中近東、ロシア、中国、そして北米というモデルだけに、サイズも大きく、押しの強い面構えは、国内で見れば強烈な印象を受けるモデルだ。
<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>

レクサスLXは1996年に北米で販売開始され、グローバルで人気を得たモデルだ。それもヘビーデューティなエリアが特徴だ。大自然の中での信頼性からくる人気というわけでもある。現在のメインマーケットは前述の中近東、ロシア、中国で、もともとの北米での人気は少し落ち着いている状態だという。

2015年8月にビッグマイナーチェンジを行ない、現在のフェイスマスクをはじめとするエクステリア、インテリアに変更されている。幅が広いバンパー部とスピンドルグリルの印象は他のレクサスにも増してインパクトがある。そしてインテリアはレクサスらしい高級な内装で、フラッグシプに相応しいと思う。

ボディサイズは全長5065mm×全幅1980mm×全高1910mm、ホイールベース2850mmと圧巻の大きさだ。搭載するエンジンはV型8気筒の5.7Lエンジンに8速ATを搭載している。こうしたスペックをみただけでも規格外の迫力が伝わってくる。

詳しい人ならご存知のようにレクサスLXはランドクルーザーをベースに製造されている。国内での月販目標台数は50台という数字からみても、国内より海外での需要がメインであることがわかる。しかし、製造はトヨタ車体の吉原工場だけで生産されている。ちなみに、生産ラインではランクルと同じラインを共有しつつ、レクサス専用の別工程を交えて製造される。ちなみに中近東での月販は1000万円クラスのLXが1600台という驚異の数だ。国内での車両価格は1100万円(税込み)。

中近東、ロシアがメインとなる販売エリアの環境を考えてみると、灼熱、砂漠、極寒、雪原などが容易に想像できる。つまり、求められる性能はハンドリングや乗り心地、静粛性、燃費などといった一般車に要求されるものとはプライオリティの順番が異なり、どんな環境でも走行できるタフネスさ、信頼性、安全、安心といった性能が優先されることになる。突き詰めれば、生きて帰ってこられる信頼性が必要なのだ。そのうえでの燃費や乗り心地などが求められるわけで、国内で試乗すればその非日常性に刺激を受ける。

■試乗インプレッション
試乗車のLX570はタンカラーのレザーシートを装備し、ドアを開けた瞬間に高級車であることが一目瞭然。もっともその外観からもフツーじゃないことは感じているわけだが。車高の高いシートに乗り込み、コクピット周りを眺める。

ステアリングはウッドとレザーのコンビ仕上げで最新装備をコントロールするスイッチ類がたくさん付いている。メータは2眼式で視認性が高く小型のデジタル表示パネルがセンターにあり、さまざまな情報が表示される。

センターコンソールはシフトレバー横のマウスで最新のナビゲーションが操作でき、また4WDのコントロールをするスイッチ類が並ぶ。4WDのハイ・ローの切り替えやセンターデフロック、砂地や泥濘地、雪用などのモードセレクト、自動車高調整機能そしてドライブモードセレクトのダイヤルが装備される。国内での使用環境ではまず必要とならない装備だが、安心材料ではある。

ナビゲーションは11.6インチの大型モニターが見やすい。インターフェイスもわかりやすく初めての操作でも、目的地設定に迷うことは少ない。コンソールにある操作マウスは馴れるのに少しの時間が必要だが、インターフェイスが分かりやすいので、こちらへの不満も少ない。

空調などのクライメートコントロールでは、レクサスのフラッグシップに相応しく、オートエアコン、ステアリングヒーター、シートヒーター、シートベンチレーションなどコンシェルジュ機能が充実している。

さて、走り出してみるとV8型のエンジンは377ps/534Nmで約2.7トンのボディを軽々と加速させる。18インチサイズのタイヤとフロント:ダブルウイッシュボーン、リヤ:トレーリングリンク式のサスペンションはしなやかに、そして静かに走る。

レクサスLXにとって、日本の舗装路はフラットでとても綺麗な路面なのだろう、しっとりとした高級車らしい乗り心地と静粛性を持ちながら、滑るように走る。

ステアリングの応答はおおらかに反応する。操舵感はやや重めの印象で高級SUVでボディサイズが大きくなると軽めの操舵フィールになるものだが、この辺りはメインマーケットでの使用環境を踏まえていると想像できる。実際、電動パワーステアリングを装備せず油圧式を採用しているのだ。もはや常識となっているEPSをあえて採用しないわけだ。

短時間の試乗のため、あまり細かいことはわからないのだが、試乗後チーフエンジニアの小鑓貞嘉氏に話を聞くことができた。

「レクサスLXは中近東、とくにカタールでは非常に人気が高く、交差点に止まると必ずランクルかLXが目に留まるほど台数が走っています。それは、お客様からの信頼があるのだろうと思っています」と語るほど車両に対する信頼性が重視されているエリアでは絶対的な存在として君臨していることがわかる。

「前回のマイナーチェンジで、この顔になったのですが、この顔になってからはロシアでの売れ行きがいいですね。やはり、何もない大自然の中でクルマを見たときに、自分のクルマだ、というのが遠くからでもわかるほうが嬉しいですよね。アメリカのピックアップトラックもよく見れば、みんな個性的で押しの強い顔してますからね」厳しい自然環境の中で、遠くに自分のクルマを見たとき力強さは頼もしさにも繋がり、存在感がとても需要な要素になるわけだ。

さらに「ワントリップ1000kmくらい走ることが多いですから、運転していて楽だったり、疲れないことが重要です」と説明する。特にシートにはこだわったそうで、長時間運転した後に疲れ方が違うというのは、多くのモデルで経験しているので理解できる。また、運転が楽だと感じるのは、雄大なエリアで未舗装路があり、砂漠あり、雪原あり、といった中ではおおらかに走れることが重要になるだろう。言い換えれば、ある程度の緩さがないとそうした環境下では疲れてしまうわけだ。

こうして日本の道路で味見をさせてもらったが狭い国土の日本を快適に走るというモデルではないことがよくわかる。がしかし、大きいがゆえにLXにしかない味があるのも確かで、キャデラック・エスカレード、リンカーン・ナビゲーター、そしてレンジローバーを好むユーザーに通じる価値観の中でも存在感が大きいと感じる試乗だった。


この記事を画像付きで読む(外部サイト)

こんな記事も読まれています

3月29日は「VWゴルフ」の誕生日! 生誕50年、おめでとう! 歴史的ベストセラー「ゴルフ」の歩みを振り返る
3月29日は「VWゴルフ」の誕生日! 生誕50年、おめでとう! 歴史的ベストセラー「ゴルフ」の歩みを振り返る
月刊自家用車WEB
メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
レスポンス
フォーミュラEにとって、日本&東京は重要な市場。求めるは日本人ドライバーの参戦。ドッズCEO「佐藤琢磨に、再び参戦してもらおうか」
フォーミュラEにとって、日本&東京は重要な市場。求めるは日本人ドライバーの参戦。ドッズCEO「佐藤琢磨に、再び参戦してもらおうか」
motorsport.com 日本版
【MEISTER.F】電動キックボードやバランスボードがお買い得!「春の全力応援キャンペーン」を開催中
【MEISTER.F】電動キックボードやバランスボードがお買い得!「春の全力応援キャンペーン」を開催中
バイクブロス
日産が“新”「エルグランド」発表! 超豪華「4人乗り仕様」もアリ! 価格は408万円から 何が変わった?
日産が“新”「エルグランド」発表! 超豪華「4人乗り仕様」もアリ! 価格は408万円から 何が変わった?
くるまのニュース
マツダが「スクラムバン」と「スクラムワゴン」の新型モデルを発売!さらに使える軽自動車へ進化
マツダが「スクラムバン」と「スクラムワゴン」の新型モデルを発売!さらに使える軽自動車へ進化
バイクのニュース
新型キックスはアンダー300万円+ガソリン仕様がなきゃダメ!! 日本仕様の課題は価格だけ?? 王者ヤリスクロスに勝つためにどうすりゃいいのか
新型キックスはアンダー300万円+ガソリン仕様がなきゃダメ!! 日本仕様の課題は価格だけ?? 王者ヤリスクロスに勝つためにどうすりゃいいのか
ベストカーWeb
930馬力の怪物はメルセデスAMG「S63 E」がベース。ブラバス「930」の0-100km/h加速は驚異の3.2秒!
930馬力の怪物はメルセデスAMG「S63 E」がベース。ブラバス「930」の0-100km/h加速は驚異の3.2秒!
Auto Messe Web
【BMW CUSTOM FRONT-LINE 2024】ホイールブランドにおけるスペシャリストの最適解。「KELLENERS sport X-LINE(ケレナーズスポーツ エックスライン)」
【BMW CUSTOM FRONT-LINE 2024】ホイールブランドにおけるスペシャリストの最適解。「KELLENERS sport X-LINE(ケレナーズスポーツ エックスライン)」
LE VOLANT CARSMEET WEB
レクサス・LBX:公道試乗で実力判明!
レクサス・LBX:公道試乗で実力判明!
グーネット
メルセデス・ベンツ「Gクラス」が大幅改良。メルセデスAMG G63は電動化され最高出力585hpを発揮
メルセデス・ベンツ「Gクラス」が大幅改良。メルセデスAMG G63は電動化され最高出力585hpを発揮
Webモーターマガジン
ホンダ「シティ」実車展示! ターボ仕様やRSも設定! HV需要も高まり販売好調!? ホンダのタイ市場動向は
ホンダ「シティ」実車展示! ターボ仕様やRSも設定! HV需要も高まり販売好調!? ホンダのタイ市場動向は
くるまのニュース
【トライアンフ】「Daytona 660 & Rocket 3 Storm デビューフェア」を3/30~4/30まで開催!
【トライアンフ】「Daytona 660 & Rocket 3 Storm デビューフェア」を3/30~4/30まで開催!
バイクブロス
大嵐のコースウォークは半周リタイア! フォーミュラE東京E-Prixの半公道サーキット、近くで歩いて気付いたコト
大嵐のコースウォークは半周リタイア! フォーミュラE東京E-Prixの半公道サーキット、近くで歩いて気付いたコト
motorsport.com 日本版
メルセデス・ベンツ、F1由来のターボを搭載する「AMG GLC 43 4MATIC クーペ(BSG搭載)」を発売
メルセデス・ベンツ、F1由来のターボを搭載する「AMG GLC 43 4MATIC クーペ(BSG搭載)」を発売
月刊自家用車WEB
マツダ「新型ロータリーエンジンモデル」実車展示! 「RX-8」以来“11年ぶり”復活の「超すごいMX-30」をタイで公開
マツダ「新型ロータリーエンジンモデル」実車展示! 「RX-8」以来“11年ぶり”復活の「超すごいMX-30」をタイで公開
くるまのニュース
EVにも最適!? プレミアムタイヤの代名詞 ブリヂストンの新モデル「レグノGR-XIII」ってどんなタイヤ? 実際に走ってわかった 新たな価値観とは
EVにも最適!? プレミアムタイヤの代名詞 ブリヂストンの新モデル「レグノGR-XIII」ってどんなタイヤ? 実際に走ってわかった 新たな価値観とは
VAGUE
【MotoE第1戦ポルトガル大会】2024年の電動バイクレース開幕 MotoEマシン、タイヤは? レースでは新しい顔ぶれも活躍
【MotoE第1戦ポルトガル大会】2024年の電動バイクレース開幕 MotoEマシン、タイヤは? レースでは新しい顔ぶれも活躍
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1250.01800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

565.22180.0万円

中古車を検索
LXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1250.01800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

565.22180.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村