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【試乗速報】レヴォーグSTI Sportが魅せた上質なハンドリングとしなやかな足

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【試乗速報】レヴォーグSTI Sportが魅せた上質なハンドリングとしなやかな足

ステアリングはダイレクトだがピーキーさはない

STIと聞けば、スバルファンならずとも走りに期待してしまう。それはつまり「スポーティな走り」のブランドとしてSTIが根付いているということに他ならない。

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2016年6月27日に発表された「スバル・レヴォーグSTI Sport」は、これまでの「tS」や「S」とは異なる、STIの新たなる試みだ。キーワードは「More Quality More Sporty」。簡単にいえばドイツのプレミアムブランドのような上質かつスポーティな走りを目指したというところか。実際、スバルの説明では輸入車オーナーを意識していることが語られている。

そしてSTI Sportは、これまでのSTIモデルとは異なり、STIによる後架装ではなく、スバルのラインで製造されるカタログモデルである。位置づけとしてはレヴォーグの最上級グレードというものだ。

早速試乗しよう。まだ発売前ゆえに、富士スピードウェイの外周路が試乗コースである。 素晴らしい! 動きだしていきなり感じられるステアリングのフィールがいい。ひとことでいうと「シットリ」なのだが、これが実現できているクルマは少ない。わずかな操舵でもキチンと舵角が与えられ、それがノーズの動きとしてドライバーに伝わる。

これは単なるダイレクト感とも違う。ダイレクトなだけで、ステアリング操作に神経を注がなければなければならないようなピーキーなクルマも多いのだが、レヴォーグSTI Sportはそのあたりのバランスが見事に取れている。

段差を乗り越えても不快な突き上げがない

富士スピードウェイの構内路は、一般的な公道に比べて路面の表面がキレイで普通に走っていると路面からの入力が少ない。そこで、あえてマンホールを踏んだり、排水溝のフタを横切るなど、入力を作ってみた。

見事! としかいいようがない。決してストロークが少ないわけではないが、ダンパーが効いてスグに収束する。底を打ちそうな大きな段差を結構なスピードで乗り越えても、ギュッと足まわりで吸収し、乗員に不快な突き上げが入ってこないのだ。

驚いたのは、そうしたギャップを乗り越えた際の音も上質だったこと。レヴォーグの静粛性は車格から考えれば十分だが、もっと上のクラスで静粛性が高いクルマもある。しかしギャップを乗り越えた際の足まわりからの音に関しては、静粛性が一段階上になったと感じられるほど、質感の高いものだった。

さらに特筆すべきは、コーナリング中に車体がロールした状態でギャップや段差を乗り越えても、姿勢の乱れが少なく動きに一貫性があることだ。これは上質さだけでなく、ドライバーに安心感をもたらしてくれる。このあたりは専用チューニングが施されたビルシュタイン社製ダンパーが効いているのだろう。

レヴォーグSTI Sportは、1.6リッター、2リッター共に設定がある。両エンジンとも試乗したが、ハンドリングや足まわりの特性に、個体差とみられる微少な違い以外は差は感じられなかった。もちろん動力性能でいえば2リッターが上まわる。ただし大人の男性3人乗車まで試した結果でいえば、普通に乗る限り1.6リッターで不足はない。

気になるのはリヤシートとボディ剛性

続いて後席でのドライブも試してみた。ドライバーズシートで得た質感はリヤシートでも存分に感じられる。ワゴンボディにありがちなリヤが跳ねる印象もなく、快適性は高い。

ただし気になるのはシートのホールド性だ。コーナリングでどうしても身体が左右に動きがちで、アシストグリップ等で踏ん張るので、ワインディングなどでは疲れることが想像に難くない。後席を前倒しする機構をもつワゴンだけに、サイドの張り出しに限界があったり、座面形状をフラット気味にする必要があるなど、制約が多いのだろうが、これだけの走りをもつクルマだけにもう少し改善してほしいところだ。 もうひとつ、ボディ剛性が気になった。ヨレが感じられるなど剛性不足というわけではない。大きめの段差などを乗り越えた直後、ボディに若干振動が残る印象があるのだ。このあたり、足が引き締まった分影響が出ているのかもしれない。あくまで質感の領域なのだが、ボディ剛性がアップすればもっと上質な乗り味となるだろう。

さて、一部気になるところはあるものの、レヴォーグSTI SPortはスバルが話すとおりの質感の向上を見せてくれた。直進安定性も高く、グランドツーリングカー(GTカー)としての資質は非常に高いといえるだろう。

一方で、STIブランドにハードなスポーティさを望むオーナーには少々物足りないかもしれない。しかし、スバルが狙った新たな方向性に沿ったものなのだから、ある種仕方がないことだ。

本音をいえば、これがベースモデルであれば、と思う。そしてこの先に、例えばBMWのMやメルセデス-AMGといった存在として、スポーティなSTIがあれば最高だ。だが、少なくともこれだけの質感をもったクルマを作り出せるということは、この先の可能性を十分に感じられる、そんなクルマだった。

(文:WEBCARTOP編集部 石田貴臣/写真:髙木博史・森山良雄・宮越孝政)

主要装備

■足回り ・専用チューニング ビルシュタインフロントストラット(DampMaticRII、倒立式)&コイルスプリング ・専用チューニング ビルシュタインリヤダンパー&コイルスプリング

■外装 ・専用フロントバンパー ・専用フロントグリル ・専用LEDフロントフォグランプ ・専用18インチアルミホイール(ダークグレー+切削光輝) ・専用大型デュアルマフラーカッター ・STIオーナメント(フロント/リヤ)

■内装 ・専用本革シート(ボルドー/ブラック) ・専用マルチインフォメーションディスプレイ付レッドルミネセントメーター ・専用本革巻ステアリングホイール(レッドステッチ+高触感革) ・専用本革巻シフトレバー(レッドステッチ+高触感革) ・専用インパネセンターバイザー(レザー調素材巻+レッドステッチ) ・専用フロントコンソール(ボルドー/ブラック)(レザー調素材巻+レッドステッチ) ・専用スライド機構付コンソールリッド(ボルドー/ブラック+レッドステッチ) ・専用ドアトリム/ドアアームレスト(ボルドー/ブラック+レッドステッチ) ・STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート(フロント)

■その他 ・専用クランプスティフナー付電動パワーステアリング ・アドバンスドセイフティパッケージ(標準装備) ・WRブルー・パール(STI Sport専用色)

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