開幕戦は筑波フェスティバル内で行われた
これまでさまざまな車両でこのEVレースに参戦してきた国沢光宏選手。ここ2シーズンは燃料電池車であるトヨタMIRAIでの参戦を続けていたが、今回再びピュアEVで参戦を決定。
その国沢選手が選んだのが、昨年まで太田光紀選手が乗っていたテスラModel Sだ。バッテリー容量は85kWhで、前後にモーターを2基積んだP85Dである。そしてその国沢選手がついにこのシリーズで総合優勝を果たした。
全日本電気自動車レース(JEVRA)シリーズは、2010年に発足したシリーズで、これまで7シーズン35戦、累計参加台数409台にもなり、8シーズン目を迎えた。これまではエンジンを搭載した車両は一切出場ができなかったが、今シーズンからは、レンジエクステンダークラス(EV-R)が新設された。
ここで該当するのは、BMW i3 REX、そして日産ノートe-Power(エンジン回転が駆動に関与するタイプのPHEVは出場できない)。このレギュレーション変更により、BMW i3 REXが今回登場した。
また、今回は「CARトップ 50周年記念イベント」との併催で、午前中からたくさん関係者とギャラリーが会場に集まっており、いつものJEVFRAシリーズとは少し印象の違うにぎやかな開幕戦となった。出場選手にも、そのCARトップ記念イベントに駆け付けた2名のゲスト(ラジオパーソナリティを務めるピストン西沢選手と、モータージャーナリストの片岡英明選手)がシリーズ初参戦となった。
午前中に行なわれた予選では、高速域で回生ブレーキが利かないため、ブレーキの負担が大きいテスラに手こずりながらも、国沢選手が1分11秒379でポールポジションを獲得。ここ数年JEVRAディフェンディングチャンピオンであるトヨタ86コンバートEVを駆る金沢秀好選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV)がコンマ3秒届かず2番手(1分11秒657)となった。
この86EVは、2016年最終戦でマシントラブルによりリタイヤとなったが、今回急きょモーターを新調したため、モーターのシェイクダウンが終わっていないということで、少し不安要素が残る参戦である。
さらにドライバーの金沢選手も、じつはこのCARトップ50周年記念イベントでヒストリックカー走行会を担当しており、当日は忙しく会場内を動き回っていた。
ほかには、このシリーズで初めて日産リーフ(LEAF)の30kWhモデルも登場した。レーサー鹿島選手が乗る#88 東洋電産 LEAFがそれ。これまでずっとリーフに乗ってきて、昨シーズンはリーフの分類されているEV3クラス優勝を果たした鹿島選手は、EV-2クラスのBMW i3との戦いを念頭に置いた車両の入れ替えだとし、今回はサスペンションもアップデートして準備万端でレースに臨む。既存の24kWhモデルよりもバッテリーに余裕はあるが、バッテリーが重くなったので「ここ一発」というタイムは狙いにくい。速くはないがタフさがある、といった具合だ。予選6番手からのスタートとなった。
86のペースダウンでトップに立った国沢テスラが優勝!
午前中の予選から5時間以上が経過し、CARトップイベントもあらかた終了した午後15時45分、全14台(エントリーは16台だったが2台が不出場)がグリッドに整列し、レースがスタート! 素晴らしい加速を見せたのが、国沢テスラ。一気に後続を引き離していくものの、コンバートEVのミラ(飯倉雅彦選手/#28 ウェルマー☆ビルズ☆EVミラ)が、何と周回1周目でハブが折れてタイヤが脱落し車両がストップしたため赤旗中断。レースは2周減算の23周でのレースで仕切り直しとなった。
予選グリッドのまま再開されたレースは、リスタートでも国沢テスラのダッシュは変わらず。しかし、金沢86EVがすぐにこの後ろにつけて、テスラをパス。トップ86、2番手テスラの順でレースは進んでいく。
このままバッテリーとブレーキのマネージメントをしつつ後半に突入するかと思われた11周目、またしてもマシンから異音が出て突如86EVがペースを落とす。これでテスラはラクに前に出ることができた。しかし、ペースを落とし、そのままリタイアかと思われた86EVも復活し、また走り始め13周目にはベストタイムを出すなど、外から見ているぶんには、駆け引きなのかトラブルなのかわからない状態。
しかし、結局その後順位変動は起こらず、テスラModel Sがトップでチェッカー。国沢選手にとってはシリーズ初の総合優勝を手に入れることとなった。2位には86EVをパスした金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校・ミライ)が入り、3位は86EV金沢選手。4位にはバッテリー増量バージョンの鹿島リーフが他のリーフに大きく差をつけてのゴールとなった。
レックスクラスから出場したピストン西沢選手(#25 BMW i3 REX)は、序盤からピュアEVの菰田 潔選手(#17 BMW i3)を攻め立てながら走行。菰田選手をパスしたあともこのi3の同門対決は続き、5位でチェッカー。6位の菰田選手との差は1秒ほどで、バッテリー量が同じでエンジンとガソリンを積む分レックスのほうが重いというこの2台の対決は今後も要チェックだろう。
続く第2戦は、4月30 日に今回と同じ筑波サーキットのコース2000で開催となる。次回はレース距離が5km増えて55kmレースとなる。
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